兎虎小説

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「どうしよう…」

バニーちゃんと昨日あんな事があってから、会社に行くのが怖くなった。
昨日……バニーちゃんが順序を大胆に間違え、俺を犯し、挙げ句の果てには「僕好みに仕立てて差し上げます」と宣言されたのだ。
好みってなんだ、と聞きたくなったが俺はそんな余裕なんぞ一ミクロンもなくて、鼻血大出血サービスしてたバニーちゃんの眼鏡をかち割り、チーターよりも早く走って帰った。あれは凄かった。ハンサムエスケープならぬ、タイガーエスケープだ。
そっから家で明日はどうしようか、バニーちゃんと普段通りに話せるのか、とかもだもだ考えてたら朝になってた訳で。

「おはよーございます…」

結局、考える事が出来なくて会社に来ちまった。馬鹿、俺の馬鹿!

「虎徹さん、おはようございます。今日も可愛いですね」
「最後のはいらんだろ」
「やだなあ、本当の事を言ったまでです。抱きついたら折れてしまいそうな細い腰、魅惑的な長く、すらりとした脚、つい触りたくなる髭、小さくかわいらしい、ぽってりとした唇―――ああ、あなたはなんて罪な人ッ!!」
「もうお願いします喋らないで!」

なん、なんて恥ずかしい言葉を言うんだ!!しかもおばちゃんいるし!「いちゃつくのはアタシがいない所でしろ」って不機嫌オーラ漂ってる!

「あ、あは、あはは!バニーちゃんちょっとトレーニング行こうか!」
「なんですかいきなり。――はっ、まさか昨日の僕の行為が忘れられないと…トレーニングとは昨日の続きをしたい…。そういう事ですねわかりました!なら早速」
「取り敢えずお口チャックゥゥゥ!!」

ついでにバニーちゃんの両鼻から出てる血をティッシュで適当に突っ込み、ジャケットを鷲掴んでおばちゃんから逃げた。
もうあのオフィスに戻りたくない…そう思ったのは正しいと思う。







―――はあはあと上がる息をなんとかなだめる。
いたたまれない雰囲気のオフィスから逃亡して、トレーニングルームからそう離れていない場所に俺とバニーちゃんは入った。相変わらず「こんな密室で二人きりなんて、虎徹さん大胆★」と殴りたくなる言葉を投げ掛けてくるバニーちゃんを無視する。星をとばすな。
とりあえず本題に入ろう。

「お前な、仕事場で変な事言うな。おばちゃん所かロイズさんにまで怒られんだぞ、俺が!」
「本心を述べたまでです。何がいけないんですか?僕はあなたが好きなのに」
「だからそれだって。好き?俺ら男同士、だろ?バニーちゃんの好きは家族とかの好きだろうが」
「僕の好きは愛情の好きです!何故わかろうとしないんですか」
「…」
「…」
「…俺は、まだそういう風にみれない」
「…わかってます、わかってますよ……」
「、おいおい。何で泣くの」
「悔しいんです。僕だけが、虎徹さんを好きみたいで。情けないんです。受け入れてもらえないこの気持ちが」
「バニー…」

ぐずぐずとバニーちゃんは泣き始める。滅多に泣かないバニーちゃんの涙は、なんだか綺麗にみえて、ああ、なんて俺は無神経なんだと気持ちが下がった。バニーちゃんの気持ちはよくわかる。だけどまだわからないんだ。
気持ちが悪い程、胸につっかえるこのもやもやした感情が。

「バニー、泣くな。泣くなよ…」
「…」
「俺が悪かった。だからバニー、」
「僕の好きにしていいんですか、?」
「え?いや〜…」
「…。虎徹さんの嘘つき!」
「昼ドラ展開!?」

おおおおい!!さっきまでのシリアスはどこにいった!?そして何でまた押し倒されている訳?
これ、なんて展開…?

「あああの、バニーちゃん…?」
「虎徹さんは言いました。泣き止んだら俺を好きにしろ、と」
「そんな事言ってない!……うわあっ」

勝手にバニーちゃんの都合が良すぎる会話に転換され、俺は泣きたくなった。機嫌が大変良くなったバニーちゃんは俺を姫抱きにして、一面鏡張りの壁に向かって歩き出す。…そういえばここ、ブルーローズがたまに使うダンスルームじゃねえか…。

「昨日は後ろだけでしたからね。今日は鏡を使いましょうか」
「意味がわからない…」
「好きになってもらえるように、あなたから好きだと言ってもらうまでセックスでアプローチしますね!」
「誰かこいつにグッドラックモードォォォ!!」

だからバニーちゃん順序が違うんだってばあああ!
ぽいぽいとまとってる衣服を力任せに脱がされ、びーびー喚いたら唇塞がれて、寒くなって勃ってた乳首を舐められて、俺は力が全身から抜けていく。な、流されるな俺…!負けるな俺…っ!

「、ああっ!」

ちゅく、と自身を擦られた。負けるなと意気込んだ意味がなくなってしまった。うわ、うわ…っバニーちゃんが、俺の、触ってるっ…!!
マスのかき合いとはまた違う感覚に、じわじわと快感がせりあがってくる。

「うあっ…、あ、あっ…バニー、早い…っ!」
「虎徹さんのっ、触ってる…!堅くて、ぬるぬるしてますよ…っ?」
「ひ、卑猥…っ」

よくそんな事言えるな!普段のバニーちゃんじゃないバニーちゃんを見て、そう心中で毒づく。だけど、ぐちゃぐちゃになる思考にぐちゃぐちゃと音がする自身。卑猥なのはどっちだ。昨日とそう変わらないやりとりに笑いたくなる。
ひやりとしたバニーちゃんの手に意識が一瞬だけぶっ飛んだ。

「はあっ…ん、」
「ん…早いですね。もしかして、昨日の思い出しました…?」
「、違うやい…」
「意地っ張り」
「んんっ」

ねっとりと舌同士が絡み合う深いキス。こいつ、何でこんなにキスが上手いんだ。

「虎徹さん、前見て」
「ふぁ…?」
「虎徹さんのエッチな姿、映ってます」
「っ!…やぁっ」
「ココも震えて、可愛い…」
「やだ、やだばにっ…はあ、あ!」
「後ろもひくひくしてますね。早くあなたに突っ込んでぐちゃぐちゃに犯したい。僕なしではいられない程に」

後ろから抱えられながら、自身と後孔同時にしごかれる。こんな行為、ハンドレットパワーでバニーちゃんをひっぺがす事は可能だけど…。
だけど無理だ、力が入らない、ほんとにどうしたらいいんだ。甘んじて受け入れている俺、このままでいいのか!

「ほら、ほら。もっと早く動かしますよ」
「だめ、だめぇっ!!…ふやっやああ…っ!!」

あああダメだったあああ…!
バニーちゃんに無理くり目を開かされ、自分がイク姿を見てしまった。
相当顔が真っ赤に染まっていて、ぼろぼろと涙が流れてる。べたべたの下半身と汚い顔に、ますます悲しくなった。

「なんで、なんでなんでなんで…!」
「あなたが好きだからです」
「俺ばっかり、恥ずかしい思いして…」
「僕はかわいかったんですけど」
「だから順序が…」
「順序順序、煩いですね。まだココには突っ込みませんが、いつか、あなたに好きと言ってもらえたら突っ込みますね」
「…うわあああん!」

聞き分けのいいハンサムだと信じていたのにっ!噛み合わない話と行動。今回は鏡で…ゴニョゴニョ…。




気持ちよく感じちゃう俺、爆発してしまえ!


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