幻想怪奇小説『令嬢の家』

□第二回 出逢い
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「ここだわ」
よしこはある部屋の前に立った。

ガチャリ

恐る恐るドアを開けたが誰もいない。
確かにこの部屋から聞こえたと思ったのに。
「気のせいだったのかしら?」
しんと静まり返る部屋をぐるりと見回すよしこ。

チリン

「誰!?」
突然、本棚の上から1匹の子猫が彼女の腕の中に飛び込んできた。

にゃあ

「まあ、どこから迷い込んで来たの?」
よしこは優しく子猫を抱き上げた。
思えばこれが全ての物語の始まりだったのだ。                     
                              《続》















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