番外編

□『優しさ』
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学校を途中で抜け出し家に向かう。
「わん!わん…」
「…?」
『…犬?…ってか…今時段ボールに入れて捨てるか…?』
「わん?」
「…なんか…気に入った…」
ちょっとした好奇心というか…気まぐれというか…とにかく惟は犬を抱えて家にかえる事にした。
―ガチャ―
家のドアを開ける。
「惟…なに持ってる?」
「…犬」
「なんで犬持ち帰ってんだ?」
「…居たから…」
「飼うのか?」
「…さぁ?」
「……。」
「…アニキ…?」
「はぁ…。里親見つかるまでだぞ?」
「あ―。」
「でも…お前が持ち帰って来るとか珍しいな!」
「…別に」
「あっっ!名前どうすんだ?」
「…付けんの?」
「付けねェのか?じゃあ何て呼ぶんだ?」
「…犬…」
「それじゃ犬が可哀想だな?」
「…面倒…」
「んじゃ“五郎丸”でいいだろ?」
「…こいつメス…」
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