短編

□僕の居場所
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窓を開けて外をみる。

応接室での仕事を片付ける最中に、それをよくやるのが最近の日課みたいなものだった。


場所が三階というだけあってか、其処からの景色は見栄えが良くて、青々とした空が並盛中を包み込む様にして果てしなく広がっている。


この景色を僕はどれだけ見続けてきたんだっけ…。



昔、と言ってもほんの一二ヵ月前の事だけど、僕が窓から外を見るのは群れている草食動物が何をやらかさないかを只、傍観している事にしか過ぎなかった。

今となれば打って変わって、この日課は一日の楽しみみたいになっている。



…でも、良く思えば今この空が好きな理由、切っ掛けを作ったのは僕でも無い。

ゴツゴツとしたアクセサリーで身を纏い、短めのスカートを履き、Yシャツをはだけさせて、サラサラとしたこの国には無い銀色の髪をした彼女だった。



『ヒバリ!』

『!…何』


窓辺で色々と考えていた所為か、急な一声に多少き窓から離れ机にヨロリ...と手をつく。

ヒバードは僕の名前を呼びながら、バサバサと小さな羽を大きく振り漸く肩にとまる。



『ヒバリ!ヒバリ!』


早くも僕の肩から去っていったヒバードを目で追う。

どうやら窓から外の様子を伺いに行ったらしい…。
まるで僕自身を見ているみたいで変な気分になった。


『ハヤト!ハヤト!』

『隼人…?』


突然、窓辺に止まったヒバードが隼人を見付けたと言わんばかりに連呼しだした。

不覚にもその名前を聞いて僕は、まさか…と窓の外の地面の方を見下ろしてみる。



『おーい、雲雀ッ!』

『…隼人!』


自然と笑みが零れた。
最近の僕は丸くなったとよく、哲とかに言われるのは彼女の所為かもね…



『なぁなぁ!お前の欲しいものッてあるかぁ?!』

『そんな大声出さなくても応接室に来て聞けば良いでしょ!?;』

『駄ぁ目!今、聞きてェの!!』


これだから隼人は…。

彼女の性格上考えて僕は仕方ないな...と、溜め息をひとつ付き下へと叫んだ。



『君だよ隼人!
隼人の心とか…全て!!』


言った後に告白したのも同然の様な返答をしてしまった事に少し後悔を覚えた。

実はまだ仲が良い男女というだけの関係であって、今までの告白も冗談に取られていたから…


…どうしよう。

隼人も黙り込んじゃったようだし、此処からじゃ表情も髪に隠れていて分からなかった。



すると、隼人がバッと顔を上げて僕よりも大きな声で叫びだした。


『…なら、全部くれてやるッ!
俺でよければ…ッ!!//
今日は雲雀の誕生日だろ!?』

『い、良いの隼人!?;』

『嗚呼ッ!おめでと、恭弥!//』










あの春が過ぎた夏…

僕が好きだった窓辺は僕の隼人の大好きな居場所となった―…



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