短編
□夢食い
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ピチャ…
パシャッ、ピチャピチャ…
…此処ハ…?
…辺り一面が真っ暗な世界。
何処を見渡しても何も見えない。
響くのは動かした足が踏む水の音。
そして、自身の髪から滴り落ちて水滴が作る波紋―…
ワカラナイ…
此処ハ何処ナノカサエモ…
助ケテ…助ケテ…助ケテ…助ケテ…!!!!
彼はひたすら走った。
“光”を求めて道無き道をただ、ただ走り抜けた…。
ピチャ…ッ、パシャ…
そうして力尽きた彼は水が広がるコンクリートに音を立て、座り込んだ。
俺ハ―…
コノママ死ヌノカ…?
冷えきった身体はもう動く事すら許されなかった。
そして身体は段々と冷えきり、遂に力なく崩れ落ちていくので在った―…