長編

□並盛学園生活A
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『此処か…』


ザワザワと風が吹くたびに散り行く桜の中、“並盛学園”と書かれた門の前で立ち止まり獄寺は顔を上げた。



『ボンゴレ…』


此処が今日から通う事となる場所…。

春真っ盛りな新学期のこの季節に急遽、イタリアから転校する事となった獄寺は学園内に足を進めた。



『ちゃおっす、獄寺。
…俺が教頭のリボーンだ』

『貴方が…』



振り向くと其処には一週間前程、連絡を寄越したと思われる人物の姿。

察しの通り、並盛学園の教頭だ。

小さき体ながらもオーラからは偉大な人格が読み取れる。



『後々、面倒だしな…此処で話して置く。
この後お前は1-Aの教室に向かえ。
そうしたら其処の担任に言えば全て済む…良いな?』

『分かりました。
…ですが、』


獄寺は一瞬躊躇うが、話を続けた。


『…俺は今まで男として生きてきたんです。
この格好でボンゴレファミリーとしてやっていくのは…』



ヒラリとスカートを捲り、不満そうに話す。

今までマフィアの世界で生きていく為に男として育っていた獄寺にとって、慣れていない事のひとつでも在る。



『んな事一々気にするな。
女が武器になる時も有る筈だ』

『…為る程、さすがリボーンさん!』

『ならとっとと行ってこい』



はい!!と挨拶を交わし、獄寺は校舎の方に急いだ…。
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