★頂き物SS★
□[馬鹿な亀短編]
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「ねぇ、ドニーはどっち派?」
「え?別にどっちとか…状況によらない?」
ダイニングへと下りてきたレオナルドの耳に飛び込んできた、そんな会話。
また彼女が「犬と猫、どっちが好き?」みたいな会話でもしているのか。
そう思って(悪いと思ったが)耳をそばだてながら、冷蔵庫からミルクを取り出しコップに注いでいると、それは聞こえた。
「私、バックでいれるのが好きだなぁ」
「っ!?」
ほにゃりと頬をゆるませてトロンとした声で彼女が言った言葉に、レオナルドは危うく注いでいたミルクをこぼしそうになってしまう。
彼の脳裏には、昨夜の彼女とのことが浮かんでいた。
「だって、こう…すんなりと入るから、気持ち良くない?」
「別に、前からでも一緒でしょ」
「えぇー、違うよー」
注いだミルクを飲むことも忘れ、レオナルドは二人の会話に耳が釘付け。
昼間からそんな会話を(しかもダイニングで)堂々とやってのける事よりも、彼女がそんな風に考えていたという事が、彼にとっては何よりも重要で…
「(そうか…俺は顔が見える方が良いんだけど、違うのか…)」
立ったまま黙々と、真剣にその事について彼は考え始める。
「何で前は嫌なの」
「嫌じゃないけど、やっぱこう…テクニックとかいらない?」
「それならバックの方がいるって」
ポンポンと浮かぶ、彼女の様々な顔。
側で聞こえる声が重なって、想像は妄想の域まで高まり、急にそんな事を考えていた自分が恥ずかしくなる。
「(や、やっぱりこう言うのは、考えるよりちゃんと話した方がいいよな…)」
うん、と一人でそう納得すると、彼は高ぶった気分を抑えるため、ミルクをググッと口に含んだ。
「…あ、ラフ」
「あ?」
「あのさ、ラフはバック駐車と前進駐車と、どっちが好き?」
「ぶはっ!!ちゅ、駐車?!」
そのミルクが見事に口から吐き出され、ラファエロが答えるよりも先に視線はレオナルドへと集まった。
「うわっ、レオってば何してるの?!」
「あ、い、いや…」
慌てて駆け寄ってきて、タオルでこぼしまくったミルクを拭く彼女に、レオナルドはまともに視線も向けられない。
顔を真っ赤にして、今までの会話の勘違いに、途方もない恥ずかしさを感じた。
「咽せたのか、アイツ」
「い〜や、ただ僕たちの会話を聞いてただけ」
「はぁ?」
その赤面の原因について気付いていたのは、ただ一人だけ。
「ねぇ、レオナルドにもどっちが好きか聞いてみたら?」
「え?」
「えっ?!いや、俺は別に…」
「えー。知っとくべきでしょ、お互いに。ね、レオナルド」
「お互いに?何で駐車の事をお互いに知らなきゃ……─!!」
「お、おい、ドナテロ!!ちょっと悪ふざけが…!!」
後にもう一人気付く事となり、赤面者は二名。
「レオのむっつりスケベ」
と後に彼女に小さな声で怒られることとなった、そんなうららかな午後。
「で、結局何だったんだよ」
ラファエロは一人蚊帳の外。
(ライスたん元気出せ第一談。はい、相変わらず下ネタ満載サイト。良く保ってるな、と思う最近。今日の昼に思いついた話。レオはそんな事も真剣に悩んじゃう、とかだと可愛い)