◇TMNT◇

□正直は最善の策…?
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「さぁ正直に言ってごらん?」

「オイラなぁんにもしてないって」



向かい合わせに座るドナテロとミケランジェロ
何かをしでかすのはミケランジェロの日常ではあるが、それが自身に及んでもほうっておくほど
ドナテロは平和主義ではない



「手荒な真似はしたくない」

「だから知らないって〜」



証拠を突きつけられているわけではないが、やっちゃったとき特有のミケランジェロの目、表情…

十年以上兄を勤めてきたドナテロにとっては十分な証拠



そろそろ強行して口を割らせようかと、ドナテロが視線を天井にそらせた時



「ミケランジェロ、何かしてしまったなら正直に謝らなきゃ」

二人が顔を突き合わせた場に、レオナルドが口を挟んできた

手にはまだ熱の残る掃除機

「そんな事したってなんになるのさ〜」

つぶやくミケランジェロを見て(やっぱり!)とドナテロは目をつり上げたが、

「そんな事ないさ、
ちょうど今から俺もラファエロに謝らなきゃいけない事があるから、ついて来て見てると言いよ」

分かり合えることは素晴らしい!と、片手に掃除機、もう片手にミケランジェロをつかんでラファエロの元へ…








「ラフ、ちょっといいかな」

「んぁ?なんだ?」

風呂から上がりたて

後は赤い鉢巻を絞めるだけのスッピンのラファエロが動きを止める

それをミケランジェロは遠巻きに見守る



「実はラフの部屋にあったバイクのプラモデル、
掃除機で吸っちゃって壊してしまったんだ」

掃除機を置いて両手を合わせ、
ゴメン!と謝るレオナルド

頭を下げた勢いで、青い鉢巻がきれいに前へ跳ねた



それを前にしばらく黙ってから「そっか」とつぶやくラファエロ



「…まぁ、仕方ないよな
壊れちまったもんはよ」



風呂上がりの仕上げに赤い鉢巻を締めながら、諦めたように言うラファエロ



「… …」



それを聞いて安心したレオナルドは、離れた所に立っているミケランジェロに微笑む



「… …ってすんなり許すとでも思ったのかコノヤローがっ!!
あれほどオレの部屋に勝手に入って掃除すんなって言ったのによおぉぉッ!!!」

「えっ、あっ‥ちょ…!
わぁぁぁっ!?」

途端に鎖鎌の要領で掃除機を振り回しながら
レオナルドを追い回し始めたラファエロ

予想外の弟の憤慨ぶりに面食らって、ただひたすら逃げ惑う長男を見ながら末っ子ミケランジェロの得た教訓は



『謝ってもいいことは ひとつもない』



ということだった。








(ちょっと、
山なしオチなし意味なしで
よくもまぁおめおめと帰ってきたもんだね)

(…面目ない…)



end.

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