◇TMNT◇
□take it for granted (後編)
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セントラル・パークへとスケボーを駆っていくミケランジェロ
すでに頭の中ではセントラル・パークで兄二人と再会を果たし、
「お前がいなくて心細かったぜマイキー!」
と、ラファエロにハグされ
「ここまで一人で来れたなんて関心だ!」
と、レオナルドにもハグしてもらう自分の姿をくるくると思い描いていた
残す課題はそのときに自分が兄らに掛けるセリフくらいか
「やっぱさ、自分から探したよーはナシだよね
手間暇かけさせた感がイマイチ」
ひとりごちながらスケートボードの前方を振り子のように左右に振って前進していく
真剣に考えすぎて派手に滑れないどころか、表通りを行く人をかわすのが精一杯
ひとまず、表通りから道一本分だけ裏道へ入る
すると入ってすぐのフェンスに囲まれた簡素なバスケットコートで、大規模とはいかないがそれなりの人数のギャラリーの中
バスケットの3on3が行われていた
見るに同じ年頃の子たちばかり
「・・・」
おもわずボードにブレーキのかかるミケランジェロ
コート内では少し年長に見える厳つい白人男性の青年チームが、派手なパフォーマンスでコート内を仕切ったプレーを続けていた
対戦相手の少年チームは試合中にもかかわらず
諦めという鉛で手足の動きが鈍くなっているようだった
周囲の期待とか、対戦者との楽しい駆け引きだとか、
それらを感じさせない冷め切った空気のバスケットコート
自然と、兄達と2対2でぶつかり合う我が家でのバスケットの様子がフラッシュバックするミケランジェロ
「・・・
セリフは後で考えりゃいっか」
ミケランジェロはボードを蹴り上げて右手でつかむと
そのままフェンスをくぐってコート内へ向かっていった
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