prism dream
□私がまもちゃんの妹でセーラー戦士!?
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「起きて、起きて蒼」
「う、うん……?」
「あぁ、やっとおきた。おはよう、蒼」
なんか目が覚めたら喋るシャム猫がいて、私は女子中学生になっていて、しかも……
「蒼!起きたのか?学校に遅れるぞ!」
「ま、ままま、まもちゃん!!??」
「?どうした、いつもお兄ちゃん、って呼んでるのに、急に名前で呼ぶなんて……」
めちゃくちゃにかっこいい、地場衛が実の兄になってました。
ep1.【私がまもちゃんの妹でセーラー戦士!?】
「やっと声が聞こえたみたいでよかった。君にずっと呼びかけていたんだ、ティエラ。」
学校への通学路を歩きながら、シャム猫が私に話しかけてくる。
いやあ、それにしてもめちゃくちゃ可愛い制服!まもちゃんの妹な上に、うさぎちゃんたちと同じ中学校なんて嬉しいなー!
「てぃ……?いや、私は蒼って名前で……苗字は地場……地場かぁ……まさか憧れのセーラームーンの世界に異世界転生……しかもまもちゃんの妹なんて、ベストポジションすぎない?」
「?何か浮かれているところ悪いけど、悪い予感がする。君が目覚めたように、何かよくないことがこの街に……地球に起きようとしているんだ」
でへでへ、と思わず破顔して浮かれる私に喋るシャム猫が釘を刺す。
でも、まさか異世界転生してセーラームーンの世界に来れるなんて!前世の記憶はちょーっと曖昧だけど、セーラームーンが大好きだったことは幸い覚えている。
モブでも僥倖なのにまもちゃんの妹!うさぎちゃんの同級生!まもうさの恋も邪魔しないベストポジションだし、何なら近くで見守れちゃう!?
だけど、原作にいない喋るネコちゃんが私のそばにいるってことは……
「ティエラ。それが君の戦士名だ。地球を守護に持つ大地の戦士。」
「つまり私もあの可愛いけど恥ずかしい格好で戦えと……」
「?あぁ、一足先に活躍しているセーラーVのニュースはよく流れてるからね。変身後の姿もイメージできてるってことか。」
とっ、と猫が私の前に躍り出る。
「僕の名前はテラ。君のパートナーだ。これからよろしく頼むよ。セーラーティエラ。」
きらりと輝く星を模ったピンクゴールドのブローチを差し出しながら告げるテラに、私は、はぁ、と肩を落とした。
「……なるべくなら、戦わずに済むといいなあ。」
きっとこれから始まる、怒涛の生活に想いを馳せて。