拍手ありがとうございます。ささやかな御礼ではありますが、那千小説です。
心地よい日差しを浴びながら、日々活気づいてゆく中つ国を見わたす…
仕事の合間、宮の中で偶然見つけたこの場所で過ごす時間がとても気に入っている。
最近見つけたこのお気に入りの場所に千尋は毎日来ていた。
今日は特に暖かく、気を緩むと眠ってしまいそう…
そんな事をしたらどうなるか、わかっているけど睡魔に勝つのは無理な話で、もう無理…とつぶやきながら意識を手放した。
気がついたのは日が遮られたから。
「ん〜?」
目を開けるとそこには呆れた顔の那岐の姿が。
「あのさ、僕の仕事は千尋を捜す事じゃないんだけど。」
「でも那岐は、私がどこにいても捜してくれるでしょ?」
そっぽ向いて小さく…まあね。なんて言う那岐を見ていると、自然に頬がゆるんでしまう。
「まったく、こんなにいい場所独り締めするなんてずるいじゃないか。」
そう言うと、千尋の横に腰を下ろし、壁に背を預けて足を伸ばした。
「那岐…?私を捜しにきたって事は、そろそろ休憩終わりでしご…むぐっ。」
那岐の掌によってその後の言葉は塞がれた。
「最近ロクに昼寝も出来やしないんだから大目に見てよ。仕事の事はとりあえず忘れてさ。」
心配そうな千尋を見て
「大丈夫。千尋がなかなか見つからなかったって言っておけば僕は怒られないから。」
「そっか。」
「そーゆー事。文官達が本気で捜しにこないうちは大丈夫。ゆっくりできるよ。」
そう言う那岐に頷いて、もう一眠りする事に決めた。
「那岐!膝貸して!」
「は…?っおい!」
返事も聞かずにころんと横になる。柔らかくて、壁よりずっといい。
諦めたのか、何も言って来ない。
…那岐の手が髪に触れる。それに甘えて目を閉じていると、再び睡魔が襲ってきた。
「う…ん」
寝返りをうち、那岐のほうに振り向く千尋。
「全く…これじゃ昼寝なんかできないじゃないか。」
少し伸びた千尋の髪に自分の指を巻き付けながら、ため息一つ
拷問か、これ…
おしまい。
ありがとうございました。