MAIN2

□完璧な執事の弱点...
2ページ/3ページ



自分から始めた手前、今更止めろと言うのもどうかと…なんて
そんなクダラナイ考えを持ったのが間違いだった
あれから負け続けたセバスチャンは


靴、靴下、手袋、タイ…と順に脱いでいく
爪の色や紋章はご都合というか、見えないようになっていて
もう今の姿はまるで人間だ。



「あと2回僕が勝っちゃったら、セバスチャンさん裸になっちゃいますねー」


「「「「!!!!」」」」


フィニの暢気に告げた言葉に、セバスチャンとタナカ以外が反応する。
まずい、ギブアップなどセバスチャンがする訳が無い。


シャツと、下着…のみ
その姿でも充分過ぎるというのに、これ以上脱がせようというのか!?



「あ、まずい仕事が残っていたのを思い出した!」


「えー」


「すまないなフィニ、セバスチャンにもサポートしてもらわなければいけない事だ」



じゃあ仕方ないですねー、楽しかったですー!
なんてフィニはあっさりと走り去っていく
バルドは惜しいと舌打ちをしたのを、僕は見逃さなかった。
メイリンは…元々、セバスチャン大好きというのは知っているから今更だ



「セバスチャン、来い」


「あ、はい」


一瞬で僕の服を着せることが可能なくせして、何故落としていた服を拾う…

上半身を曲げ、下半身を僅かに曲げた上体で衣類を拾うセバスチャン
ふとシエルがセバスチャンの後ろを見れば、遠くからバルドが身を屈めて此方を見ていた。
ハッとする
バルドの位置からは、セバスチャンの尻が丸見えだ!!!



「早くしろ、急いでいるんだぞ」


「?申し訳ございません」


さっさと拾わせ、自室へと急ぐ
ひゃっほーいなんて間抜けな歓喜の声を上げるのを、遠くで聞いてた。
ああ、苛々する。
そもそも野球拳がしたいなどと、馬鹿な事を言わなければ良かった。
こうなると知っていれば、セバスチャンの素足を拝ませる事もなかったというのに。

急ぎ足で歩く僕の後ろを、素足のまま着いてきている。
足音がない、いや…普段から音を立てて歩きはしなかったか。



「坊ちゃん?」


部屋のドアを開けるセバスチャンの、生足を見つめサッと部屋に入る。
黙ったままでいる僕に、どうしたのかと問いかけてくる。
本当に…お前は、鈍いんだな。


「え、坊ちゃ…え、え?」


「うるさい、黙れ」


ベッドまで腕を引き、引き倒す。
仰向けに転がされたセバスチャンは、一体何なんだと困惑気味に見上げてきた。
シャツ一枚と、下着のみのその姿は生唾モノだ。
食べてくれと言っているようなものだろう…?
それに僕は、据え膳喰わぬ男でもない。



「さっきの野球拳での失態、お仕置きものだな」


「は?何を…坊ちゃんがやりたいと、おっしゃったのではないですか」


「負け続けたのは、完璧である筈の執事にしては失態だとは言わないか?」



ニヤリと笑みを深める
理不尽な事を言っている自覚はあるが、直そうとは思わない。
セバスチャンは呆気に取られ、間抜けな面を晒している。
危機感というものがないのか、それとも僕だからなのか
無防備なままでいるセバスチャンを、とりあえず…








「ひっあ、な!どこを触っ」


「そんな格好でベッドにいたら、ヤる事は一つしかないだろう」


「え!嫌ですよ、仕事はどうするんですか」


「そんなもの、ココに来る口実に決まっているだろう」


いい加減鈍感すぎるのも、苛ついてきた。
あのままお前のその艶かしい肌を、他人に晒すのが嫌で仕方なかった・・・
とまでは、理解しなてもいい。


セバスチャンは、よく分からないまま


喰われました。










翌日腰痛を耐え、仕事をするセバスチャンにフィニが近寄ってくる。


「セバスチャンさーん」


「どかしましたか?」


「あのですねー、昨日やった野球拳なんですけど」


ニコニコと浮かべる笑顔は、全く害意などない。


「僕、またやりたいんです!今度やりましょうよ」


仕事の息抜きとしてはたまにならいいかもしれないが、セバスチャンは昨夜シエルにされた事を思い出し
ある意味野球拳はトラウマになりつつあった。



「…坊ちゃんが許可されたら構いませんよ」


「本当ですか?わーい」


ただ判断は、そのトラウマの原因になったシエルに
そっと任せた…






end
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ