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□Once Again
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悪魔を見かけるのは珍しい…といえばそうなのかもしれない。
ただあの状況を見て、興味を持つなという方が難しい。
魂を食らう為に契約を交わす事は、当然の事のように知っている。

だが拾ったあの悪魔は違った。
契約印がある訳でもなければ、ただの人間相手に好き勝手弄ばれるだけの人形と化していた。
何があって彼がこうなってしまったかは全く分からないが、こうなる程オカシクなるのは本当珍しい。



『酷く空腹のようだねぇ〜』


それに加え、どうやら魂すら食べる事なく過ごしているのか
傍目から見ても空腹で餓えているのは理解した。
けれどそれを訴えるでもなく、ただ無反応
ゾクリと背を何かが撫で上げる様な感覚。



『このままでいれば待っているのは消滅、それともそれを望んでいる?』



応えは、ない。
魂を食べなければ、人間が食事を取らないことと同じ
待つのは死、消滅…ただそれだけだ。
惜しいと感じたのは何故か、この悪魔に面白い事がこの先待っているのか
今の所どうとも言えないが、ここで拾わないと何故か損をするような気がして…





『拾ってあげよう、幸い君は少々特殊なようだ』



反応のない悪魔を抱きかかえ、燃え盛る屋敷を後にした。















「君が正気の時くらいしか会話が出来ないからねぇ、もう少し喋って欲しいんだ」



「最初に大体分かる事はお話した筈ですが?」


「それでも、さ。特殊な君自身にも興味を持ってしまったからねぇ〜」



死神でそれなりの地位にいた自分ならば理解が出来る。
未来から過去へ飛ぶ事は可能、けれどそれは禁忌
未来のこの悪魔を過去に飛ばした赤い死神は、自分と同じように魅せられてしまったのだろう…




「辛そうだね、まだ足りないかい?」


「っ結構です」


特殊というのは
魂を食べなければ存在を保てないのは代わりはないのだが、それでも多少なりとも魂を食べずに補う事が出来るのが特殊だ
それは本人にとって大変不本意極まりないのは分かる、そもそも男性体な時点で辛いとは思う。


ぶっちゃけてしまえば、精を胎内に取り入れるという事だ。
飲んでもいいのだが、一番いいのはナカに入れて粘膜からの吸収が一番効率的にはいい。
正気でない時も、様々な人間の手に渡ってきて
しかも誰もがそういった趣味を持っていたのが消滅せずに済んだという不幸中の幸いというやつだろう。




「ん〜小生がシたいからと言う理由でいいだろう?」



「えっ待…」



覆いかぶさってシーツを剥ぎ取ってしまえば、抵抗等無意味。
弱っているのだから抵抗といっても、あまり意味はないのだが…


ここまで弱ってしまった原因が気になる

死神である自分の傍にいる事で、魂に関わる事も多いだろうにそれを食べようとはしない

欠けたままの左腕





一体何を求めているのか





一つ解かった事は、『ファントムハイヴ』家に関係する事。
隠していたようだが、かの家の当主が此処に訪れた際の反応は誤魔化せない。




嗚呼

面白い事があるのではないかと興味本位で拾ったのに
今ではどうか

それがなくとも、手放し難くなっているのは事実
さて、これを認めるべきか認めざるべきか―…











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