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□Beloved faithful dog
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「やめ、っ、だんなさま…っっ!!やめ、て…っ!!」
「止めてほしいの?」
セバスチャンの必死の喘ぎに、くすっ、とヴィンセントは口角をあげた。
「どうして?気持ち良くない?」
「は、あっ!やだ!やだっ!!出ちゃ、出ちゃうから…っ!!だめ……っ!」
セバスチャンは床を指差してふるふると首を横に振る。
何かと思って下を見れば、新婚の頃妻が選んできた絨毯が敷いてあって、ヴィンセントは、ああそういうことかとため息をついた。
「だから気にしなくて良いのに…セバスチャンの精液の匂いなんて、私しか知らないんだから…」
「そ、いう…問題じゃ…っ!ないです…っ!あんッ!!」
「わがままだなぁ…他の事はちゃんとできるのにねぇ?」
仕方ない、とヴィンセントはセバスチャンを責め立てていた手を離す。
セバスチャンが一息吐いたのも束の間。
「わがままな子には“おしおき”かな。」
「え?」
がさごそとまた紙袋を探る音。
セバスチャンは恐る恐る顔をあげる。
すると。
「今日はあんまり意地悪する気分じゃなかったんだけど…」
ヴィンセントの細く美しい指先が、グロテスクで恐ろしいものを撫でている。
「セバスチャンがいけないんだよ?可愛い振りしちゃって、珍しくわがままなんて言うから…そんなに“おしおき”してほしかった?」
ヴィンセントの手の中のものがぴたぴたとセバスチャンの頬に当たる。
木製のそれは、ワックスを塗られて、てかてかと無駄に輝いていた。
男性器を忠実に模してあるらしく、裏筋や血管までやたら丁寧に彫ってある。
その根本には真っ黒い毛がふさふさと生えていて、これが自分の尻に刺さる以上、多分尻尾なのだろうとセバスチャンは思った。
「四つん這いになって。」
笑顔で言い放たれて、セバスチャンは重い腰を上げる。
その弾みに、ぴちょん、と透明の小さな滴が勃起した自身から跳ねるのが見えて、激しい自己嫌悪に陥った。
「自分で舐めて濡らしなさい。」
差し出される木で出来た偽物の性器。
大人しく舐めると、唾液でますます怪しく光る。
「もういいかな。」
“こっち”も準備万端みたいだし、と尻の穴の口を撫でられて、セバスチャンはぴくりとひとつ体を震わせた。
「可愛い尻尾を生やしてあげるからね。」
イキたくないんだから押さえないと、と片手で根元を封じられて。
囁く甘い声とは裏腹に、腹には、ずぐんっ、と耐え難い衝撃が走った。
「ふぎっ!?あ゛あ゛ああっ!!」
あまりの大きさに腸が破れるのではないかとすら思う。
「あ゛…う゛…くるしい…だんなさま…っ」
普段から挿入されている主のものの硬さとは全く違う硬度を持ち、生き物ではないそれは思った以上に冷たかった。
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