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□私、腐敗してましてよ
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「早起きは三文の徳!」
ガバチョ!と起き上がったのは主人公である私、瀬野 歩架(セノ アルカ)。
本日よりこのファントムハイヴ家にて、働かせていただく事になりました!
まあセバスチャンに連れられこの屋敷に到着した後の出来事なのですが…
『お連れの方を連れて参りました』
『へ!?』
セバスチャンに案内され、広い屋敷の内装に驚かされつつ(やっぱり画面と現実は違うからね!)
通された応接間っぽい所には、所謂三流ドラマの売れない俳優面した男がいた訳です。
男の手にはナイフ、そしてそれを突きつけられた状態のシエル。
セバスチャンの登場に男は驚愕し、肩を跳ねさせる。
当然のようにシエルもセバスチャンも焦った様子は全くない。
因みに私はというとおろおろしながらも、チキンみたいな反応をした男が面白くて仕方がなかった。
だってどうせ、セバスチャンがいるんだからシエルが死ぬとかなんてないって理解してるからww
『な、え、あ…っ』
『遅いぞセバスチャン、客人はどうやらお金がご所望らしい』
『左様でございますか、しかし残念ながらお客様にお渡しするものは何一つとしてありませんね』
淡々と会話をする二人に、男はほんの少しだけ冷静になったのかナイフを再びシエルの首に突きつけた。
ああ、なんてとうショボイ悪役!
その後お約束な台詞を吐いて、ボコられて追い出された訳ですが…
『ところでお前は?』
『うはっ!!』
急に自分に矛先が!
男の反応からして無関係だとは分かってもらえてはいるが、怪しい不審者には変わりはない。
どうしたものかと考える、とりあえず
『行く宛がなく、金もなければ知り合いもいない…ついでに言えばめっちゃ腹減ってんだけどどうすりゃいいかな』
その言葉には、シエルもセバスチャンも一瞬だけ驚いたように目を瞠ったが次の瞬間には呆れたように溜息を吐かれた。
…なんだい失礼な
「うおおぉ…腰がなんかおかしい」
ベッドというやわらかいモノで寝る事がないから、身体がおかしい気がする…
愛しいよジャパニーズせんべい布団!!
あ。とは言え、信用すらならないのに雇ってくれたシエル坊ちゃんは優しいのだと思います…多分
『…まあセバスチャンもいるしな、お前、雇ってやる』
『え!こんなどこの馬の骨ともしれない女を雇っていいんですか!?』
『…馬の骨、自分で言うのか…路頭に迷いたいなら別にいいぞ』
『いえいえいえいえ、働きたいですお願いします』
セバスチャンがいる=何かしても速攻始末できる。
ついでに言えば、あの三人よりはそれなりに使えると判断されたと思っていいのだろうか。(家事的な意味で)
でもぶっちゃけ三人と違って運動神経すら平凡以下だから、いざ侵入者とか来たら真っ先に逃げるけどいいのかなww←
だって戦闘なんてただの民間人で平和ボケした奴に何が出来るって言うんだいw
『名前を聞いてなかったな』
『おっあ、歩架です、瀬野 歩架』
『セノ?変わった名前だな』
『日本人なんで、あ。名前は歩架の方っす』
…というワケだ。
日本人というのでタナカさんを真っ先に紹介してもらった。
うん、タナカさんは一緒にいるとなごむよ
おじいちゃんがいたらこんな感じなのかなあ
タナカさんみたいなおじいちゃん欲しい
タナセバも好きだけどね!←
「朝ですよー起きて下さーい」
ゆっさゆっさと揺するのは同僚にもなったメイリン
昨日の晩に全員と自己紹介をして、仲良くなれた感じでよかった。
使用人部屋でメイリンは女性一人だったから一人部屋だったけど、私が入ったから二人部屋になった。
でも別に気にしてもないし歓迎してくれたから、大丈夫だよね…?
「んぁ…あわわっもう時間ですだか!?」
「教えてもらった時間までは後40分なんで、焦らなくても大丈夫ですが」
「アルカさんは早起きなんですだねー」
「いえいえ、起こしてすみません」
夜中近くまでケータイ弄ってサイト巡りして、一人暮らしだから朝は早く起きて準備あるから…。
睡眠時間短くても平気になっちゃったんだよね、あは☆
それにしてもメイリン…
乳デカいよね、ウラヤマ
そんな訳で、本日よりファントムハイヴに仕えさせていただきます!
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