捧げてみたり 頂いてみたり

□夕焼けと自転車と二人乗り
1ページ/2ページ


自転車のベルが鳴る。

「翔子、後ろ」

雄二と本気で喧嘩して、今日は早くかえんなきゃなんないのに。

…わかってる、わたしがわるいのはわかってる。

「チッ、早く帰るんじゃなかったのかよ、乗んないのか、俺いくからな」


ごめんなさいの一言がいえないのだ。


「…ゆ、雄二」


わるいのはわかってる…雄二のゲームを落として、水溜まりにばしゃーんって。

完璧にわたしが悪い。


怒鳴られて、ビックリして。謝る前にこっちもかわいくない態度をとってしまった。

もう雄二とはもとにもどれないのかな…とか。

考えたら頭がいたくなる。


「翔子、」

雄二、にあやまんなきゃ

「翔子!」

腕を引かれる。

「…ゆうじ」

「何回呼べば気づくんだ、危ないし」


ふっ、と顔をあげると 信号が赤になっている、気づかなかった


「あと、泣くなよ。別にそこまでおこってないから。」

「ないてな、」

「はやくうしろ乗れ」

「…うん」



いつのまにか泣いていたわたしの目に夕日が染みる。

「雄二、ごめん」

「別にいいよ、おこってない」

「うん、」



ぎゅ、ってしてみた

「翔子、なにやっ」


END

(ラブラブで…)
(異端審問会だな)
(だな、)
(霧島を泣かせた上にぎゅって)
(おかしくないか)
(異端審問会だ)



おしまい
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ