嫉妬してなにが悪い。

そう思うのはもう日常茶飯事。
愛さずにはいられないのに、その気持ちを上手くセーブ出来ない自分にも腹が立
つ。
そんな事を考えながら小さく溜め息を漏らす。
俺と鬼道が話していても、円堂と話していても全く気にも止めていない様子の土
門に少しだけ嫌悪感を覚える。
「土門!」
…最近、風丸が土門とよく話す。
dfの確認をしているらしいが、じーっと土門を見てもいつもなら気付くのに最近
は気付いてくれない。
(一之瀬が最近苛ついてないか)
(あー、多分アレが原因)
などとメンバーが話すのを全く聞いていないふりをして土門の元に行く。
風丸は近付いてきた一之瀬に気づいてすぐ話を止めた。
(あいつに恨みは持たれたくない…)
「あ、一之瀬か。どした?」
どうせ風丸が話を止めなかったら気付かなかった癖に。
そんな風に考えている自分に少しだけ驚く。
土門の、馬鹿。

土門side
また何かあったな。
あいつは分かってないだろうが、ちょっと可笑しい事くらいすぐ気がつくぞ。
余りにも様子が可笑しいので休憩を貰った。
「…どした?」
「どうもしてない」
それが可笑しいんだよ。
すぐ顔に出る。
コイツは隠すという言葉を知らない。
多分、また自分でややこしい事を考えていたのだろう。
「…置いてかないで」
小さく聞こえる声。
俺がいつ置いていったよ。
お前の方が先に行くだろ。
「…嫉妬した」
誰に…?というか嫉妬したって、何で?
「メンバー全員に。特に風丸に」
一之瀬は一つ一つ言葉に表しているようだ。
「何かちょっと嫉妬した」
そんな一之瀬が可愛く思えた土門は、一之瀬の髪を優しく撫でた。
じっと見つめる瞳は少しだけ戸惑いと嬉しさを混じらせるように泳いでいる。
「I can't help loving you...」
小さく一之瀬の耳に呟いてみる。
意味が分かったのか、今度はにんまり笑って腰にしがみつく。
「それじゃっ、土門と俺は同じこと思ってたんだ」
優しく笑う一之瀬に小さく頷く。
I can't help loving you...
愛さずにはいられない。

それじゃ、君と…これからも、甘い甘い道を進もうじゃないか。
(love!!!!)
(…英語、好きだな)


それじゃ、君と

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