STORY

□コンテスト
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「ねぇ、ルビー。…ルビー。ルビぃー!!」
「…そんな大きい声ださなくていいじゃないか、聞こえてるんだから」
「そんなら返事しぃよ!!」
「ハイハイ。で、何?」
「つまらんと!!」「………」

ルビーの部屋の壁に張ってあるカレンダーには、大きく赤でしるしがつけてある。
---コンテスト。
今回の大会は師匠であるミクリもくるらしい。
その日のために2週間も前からルビーは演技の練習をしている。
そしていよいよ3日後と日にちがせまってくるなか、ルビーの頭の中にはコンテストのことしかなかった。

一方でサファイアはずっと横で様子を見ていた。
コンテストは嫌いじゃない、というかむしろ好きだから、見ていられるのは楽しい。
ルビーとポケモンたちのコンビネーションは最高だし、技も息を呑むほどに磨かれているし、
なによりルビーが練習であれコンテストをしている姿はかっこいいとおもう。
だから、コンテストに向けてがんばってほしいと思うけれど、、、

「ちょっとはあたしの話ばきかんね!!」
「こうやって話を聞くのじゃダメなわけ?」
「だって毎日毎日コンテストだけに夢中で、あたしの話なんか聞いてないやろ!!」

さっきだってそうと!!といってサファイアはそっぽを向く。
ルビーはあっけに取られていたが、見る間にその表情は破顔した。
そして喉をくくっと鳴らしながら言った。

「ははっ、サファイアっ。キミ、コンテストにやきもち妬いてるの?
 大丈夫だよ。一番キミの事が大事だから。」

やっぱりルビーは分かってない。
どれだけコンテストをしてるルビーがかっこよくても、あたしのことを見てくれないルビーはイヤ!!
もっとこっちみて。
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