STORY

□障害
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注意!!
○夫婦設定
○ルビーがかわいそうなことに・・・

Are you ready?



「ルビー、調子はどうね?」
サファイアは窓の外をずっと眺めている人物に声をかけた。
「・・・・・・・。」
返事が、ない。
何かあったのだろうか。スッと心の奥が冷たくなって、顔を覗き込む。
「あ・・・寝とる。」
小さな寝息を立ててルビーは寝ていた、幸せそうに。
もっと近くで見ていたくて、サファイアは彼の隣へと腰を下ろした。
彼の左目が機能しなくなったのはほんの2.3年前。
「もともとそんなになかったから」となんともないように笑っていた彼。
あたしを心配させないようにしたんでしょ?
あたしが気づかないはずがない、こんなにも一緒にいるのに。
「バカ」
少しくらい頼ってくれてもいいのに、昔から。

「ん、、、どうしたの?」
「あぁ、今日はいい天気やなと思って。」
「そっか。今日は快晴か。」

そんな悲しい顔をしないで。あたしも涙がこぼれそうになるから。

「うん。いい天気とよ。すっごく青くてきらきらしとる。」
「ふ〜ん。見たかったなぁ、その景色。」

右目だけじゃちょっと無理かな、ハハッと彼は笑う。

そんな風に笑わないで。あたしの胸が締め付けられてしまうから。

そう、2.3年前。あの時あなたは視力を失った。
そのころはまだ私たちは単なる恋人だった。そして、この日もいつものように二人で過しているはずだった。
けれど、ときの歯車は狂う。
待ち合わせの時刻になっても彼はこない。待ち続けても。
---彼に訪れたのは暗闇の世界だった。
白内障。もう回復する兆しはない、と宣告された。


暗い感じですが続きます。
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