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□そらみみ
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そっ、と
耳を掠めた声は
確かにあなたのものだった

きっと
あまりにも願ったから
思い出から現れたのかもしれない

おかしいかしら?
そんなことないよ
好きの気持ちは
不思議を増やしてゆくから

空耳でも嬉しい、だなんて思ってしまった私は
今 誰よりも
幸せで仕方ないよ


ふ、と
気づけば私の視線は
誰もいない階段の下

だって
いないとわかっていても
すがるように
記憶の欠片集めてる

おかしいかしら?
それでもいいわよ
振り向いちゃうほど
近くにあなたを感じたの

幻でもあなたはあなた
忘れられるまで私は
ずっと止まらない
何度でも 嘘の中へ


聞こえたよ
本当だよ
いないはずのあなたが
私にだけ囁いた
…夢かな?
…ううん。
夢じゃなかったよ
確かにあれだけは 真実


昔のことだけど 真実



空耳でも嬉しい、だなんて思ってしまった私は
もう 子供じゃないよ
血の出ない痛みを知ったよ

だけど今 誰よりも
幸せで仕方ないよ

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