てきすと。
□始まり-屋上。
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「ひっく…うぅッ…!」
誰かのすすり泣く声。
雲雀はそれを聞いて、不快感を覚えた。
誰だい。咬み殺す。
屋上で昼寝をしていた雲雀は、そんな事を思いながらまだ完全には目覚めていない体を起こした。
立ち上がり、泣いている奴を睨みつける。
だが、すすり泣くそれはうずくまったまま。
雲雀は小さく舌打ちをして、カツカツと靴音を鳴らしながら近づいていく。
しかしそれにも気づかないのか、顔を上げようとしない。
「君、煩いんだけど」
雲雀が声をかけても、動く気配がない。
むかつく。僕が話かけてるのに無視するなんて。
雲雀がトンファーを取り出し、殴ろうとした時。
うずくまったままだった少年が、横に倒れこむ。
「うぅ…ん…」
苦しそうに唸り、息が荒い。よく見ると頬が上気し、紅く染まっている。
「沢田、綱吉…」
雲雀は綱吉を抱き上げ、応接室へと向かった。