企画小説

□鳳宍
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「明日?あぁ悪い、先約あんだよ」


―――それは、予想外すぎる言葉だった。



















「そ、そうなんですか」

「おう」

「あ、あの…ちなみにどのような…」

「買い物に付き合えって言われてな。俺連れてったって、なんも役にたたないっつーのによぉ」

「はぁ…。どなたとですか?」

「ん?若」

「へっ?」


―――聞き間違いであってほしい。

そんな俺の願いも虚しく、宍戸さんはラケットを弄りながら隣に居た我が友人へと問いかけた。

「若、そういやぁ明日どこ行くんだ?」

「は?…あぁ、あんたテニス以外興味ないでしょう?グリップ選ぶのに付いてきてもらいたかったんです」

「なんだ、それなら役に立てるな!」

任せとけと日吉の肩を叩き、あいつに背中を向ける宍戸さん。

なんの抗議もすることなく、俺はただ呆然とその光景を眺めていた。

「よし、んじゃトレーニング再開な。…って、長太郎?」

「へ?…あ、いや、なんでもないっス!」

俺は両手を左右に激しく振りながら、引き吊った笑顔を彼に向ける。

宍戸さんは怪訝そうな顔をしながら、俺の方へ腕を伸ばしてきた。

乱暴に髪の毛を掻き回され、思わず眉をしかめてしまう。

そんな様子なんかお構い無しに、宍戸さんは俺の頭を撫で続けた。

「明後日な」

「へ?」




「明後日、目一杯構ってやっからさ」





――それまでお預けな、と笑う宍戸さんを見て、思わず惚れ直してしまった自分がいた。


わざわざ振り払いたくもないので、そのままの体制で彼を見下ろす。

「絶対ですからね」

「おう」

「しなかったら浮気しちゃいますよ」

「そんな甲斐性ねぇだろ」

「…じ、じゃあ襲います」

「おぉ、そりゃ困るな」




覚えとくわと言いながら離れていった手を、危うく引っ張ってしまうところだった。























〜end〜
意味が解らない/(^o^)\

こんなものでごめんなさい/(^o^)\

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