孫小説
□◆魅《夜若×リク》裏なし(2010.3/3up)
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人の目につく顔には、さほど傷はなく鴆くんの薬ですぐにわからなくなってしまった。おかげでつらら達にもバレずに月曜日から学校に行けた。
なにもなかったかのようにいつもの生活をこなしていく。
その間、あのことには触れなかった。
さすがに気まずいのだろう、避けるように外出していた夜だけど週の半ばに、心配なのか不安になったのか声をかけてきた。
「……リクオ、大丈夫なのか?」
いつものように宿題を済ませるべく、本とノートに向けていた顔を夜に向けた。
『……なにが?』
夜の言葉の意味をわかっているけど聞き返す。
「体……。」
ツラそうな表情をしながら呟く夜にあえて答える。
『……鴆くんの薬が効いてるから平気だよ。』
軽い傷はともかく、体中や内部の傷の痛みはまだまだキツい…鴆くんの薬で抑えている状態。
周りに感付かれるのもイヤだし、学校も休みたくはない。
それは僕自身の問題…なんだけど、結局は無理をしていることに夜はツラそうな顔をする。原因が自分だから…。
『……そう言えば、夜は僕に怒ってほしいんだっけね。』