孫小説
□◆春風《夜若×リク》
甘(2010.2/27up)
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『温かくなってきたなぁ…。』
春一番も吹き、どんどん心地の良い季節になっていく、涼しくも暖かい日差しを受けた風が頬をなでていき、とても和む。
のんびりと帰り道を歩いていると黒羽丸が頭上から舞い降りてきた。
「リクオさま、今お帰りですか?」
『あっ、黒羽丸。見回りご苦労様。』
「いえ、仕事ですから。」
前から思ってたけどあんまり表情を崩したところ見たことないな…など考えながら思わず、じぃ〜と見てしまっていたらその視線に気付き目が合う。
「なにかついてますか?」
やはり真面目な顔で答えてくる黒羽丸。
そこにまた羽音が響き、頭上からトサカ丸の声が響いてきた
「おっ、リクオさまお帰りなさい!」
黒羽丸とは違い、崩した口調と態度のトサカ丸がニコニコしながらバサリと黒羽丸の横に降り立つ。
どうやら、個々の見回りが終わり帰宅してきたみたいだ。
「あぁ〜腹減ったなぁ。」
と大袈裟にお腹を押さえるトサカ丸に眉をひそめ黒羽丸の一撃が脳天に入った。そしてキツい口調で叱る。