孫小説
□◆贈り物《夜若×リク》(2010.2/12up)
裏なし
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「リクオさま〜、隠神刑部狸さまからなにか届きましたよ〜。」
とつららが小さい箱を持ってきた。
この前の一件で借りができた四国の妖怪任侠総元締めの隠神刑部狸から詫びと礼にと贈り物が届いたのだ。
『こんなことしなくてもいいのに』
と昼のリクオは呟いた。
手紙がついている。丁寧な謝罪文と礼の言葉と贈り物の中身について書かれていた。
まず包みを開くと桐の箱が出てきた。
桐の蓋を開くと絹の布に包まれた小さな宝玉が二つ。それぞれには革紐が付いていて首飾りのようになっているものが入っていた。
これはなんだろうと手紙の贈り物の説明についての場所を読む。
まず、二つを首にかける。
さっと首にかけてみるとつららが、慌てて叫ぶ。
「リクオさま!そんな安易に試さないでください!!」
『えっ?』
と振り返るや否や視界が霞む。
やっと、視界が開けたと思うと目の前のつららは口をパクパクして驚嘆の表情をして腰を抜かしている。
あれ、宝玉が一つになってる…。
気配を感じて隣に目を向けると同じく驚きの表情をしている夜の僕がいる…。
首にはもうひとつの宝玉が妖しく光っていた。