Novel

□おほしさまわるつ。
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これは、星のワルツが聞こえてきそうな真夜中のとあるかわいい恋人たちのお話....





冬のイタリアは雨が多いとかなんとか言うけれど今日は晴れている。


雲ひとつない星空。


カエルと任務を終えてとぼとぼ歩いてる。



「先輩・・・。寒いですー。ぽっけにお邪魔していいですかー?」


「オレの隊服ぽっけないけど。」


「あー・・・。じゃあ手、繋いで下さーい。ミー凍え死にそー。」


「勝手に死んでろ。」



カエルより少し歩幅を大きく歩いた。



「待ってくださいよーせんぱーい。今日ノリ悪いですー。」


「ノリの悪い先輩で悪かったな・・・っておいフラン!?」



ぎゅーっといきなり後ろから抱きしめられてびっくりして声が裏返った。


「先輩あったかい。」



オレの背中に顔を埋めるフラン。


カエルの被り物が地味にいたい。



「どけっ、変態カエル!変態の森に帰れ!」


「ほんとは嬉しいくせにー。」


「うるせぇ。手繋いでやるからさっさと帰るぞ。」



少し赤い顔を隠すためにオレはフランとは反対の方をむいた。



フランはちょっとオレの顔を覗き込むようにして


「恋人つなぎですよ?」と、言った。



カエルと指を絡めてぎゅっと手を繋いで、



寒い夜道をまた歩いた。



星空を見上げてわぁ、とまぬけな声を出すフラン。




「なんかプラネタリウムみたいですねー。綺麗ですー。」




エメラルド色の大きな瞳をいっぱいに広げていた。




「フランのが綺麗だし。」


「うわ、先輩それはくさいですー。」


「だってほんとのことだもん。」


「ばーか。」


「褒めてんだからそんなこと言うなよ。」



またフランは空を見上げた。


寒いはずなのにフランのほっぺは林檎色。



「先輩ー。今度オーロラ見に行きましょ。」


「そんなヒマねーよ。」


「えー有休もらえないんですかー?デートできないじゃんかー。」



ちょっと不機嫌そうな声でフランは言った。



「いつでも2人で一緒に居られるだけいいじゃん。オレフランの隣に入れるだけで幸せだし。」


「・・・ベル先輩今日かわいいですね。いきなりデレるなんて反則ですー。」


「だってオレ王子だしー。」


「でた、オレオレ王子。」


「オレオレ詐欺みたいに言うな。・・・フランこっち向けよ。」


「はい?」



ちゅっとフランにキスしてみた。



「・・・これだけですかー?」


「外でこれ以上するか。変態カエル。」


「変態変態言うのやめてくださいー。」


「うっせぇ。アジト戻ったら続きしてやるよ。だからいい子にしてな。」



「・・・先輩大好きですー!」




・・・また抱きついてきた。



そんなカエルが可愛くって、きっつく抱きつき返してやった。


お前が思ってる以上にオレ、お前に惚れてるんだぜ?





静かな夜、たくさんの星たち。


その星たちの優しい光はかわいい恋人たちを優しく照らす。


2人の幸せを見守るように。





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