Novel
□Una storia di amore triste.
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ミーには好きな人がいます。
でも、その人には恋人がいます。
ミーの好きな人はよくミーにその恋人の事で相談してきます。
ミーの気持ちも知らずに・・・。
ほら、また今日も・・・
「かえるいるー?」
談話室のドアをドーンと開けてベル先輩は入ってきた。
ミーは飲んでいた紅茶をテーブルに戻し、
「なんですかー?」
と、だけ先輩に冷たく言い放ってやった。
そんなことをお構いもせずあいつは、
「ちょっと来いよ。」
と言ってがしっとミーの手首をつかんで・・・ミーは談話室から連れ出された。
本当は行きたくなんかありません。
先輩の恋人の話しなんか聞きたくありません。
・・・でも、少しでもいい。
先輩と一緒にいたい。
そんな気持ちがまた勝ってしまった。
ただただ切なくなるだけなのに・・・。
「ベルせんぱーい今日は何ですか?ミー暇じゃないんですよー。」
「うっせぇ。かえる頭。お前どうせ暇だろ?・・・で、王子さースク先輩にプレゼントあげようと思うんだけど・・・何がいいと思う?」
やっぱりあいつの話か。
・・・悔しいけれど、あいつの話をする時、いつも先輩は幸せそうです。
ほら、今だって。
顔を真っ赤にしてさ。
スク隊長はこんなにかわいらしいベル先輩を独り占めしてるんですね。
なんだか涙がでてきそうだ。
「おい、聞いてた?」
「あっ、はい。・・・心がこもってればなんでもいいと思いますー。」
心がこもってなくてもミーは先輩がプレゼントをくれるのなら何でも嬉しいんですけどね。
「やっぱそうだよなっ!あんがとフラン!!」
幸せそうな顔で、ミーの好きな人はその好きな人のもとへ行ってしまいました。
ミーの恋は叶わない・・・そのくらい分かってます。
分かってるからこそ、この気持ちはどんどん強くなって、熱くなって、哀しくなるんでしょうね。
涙が頬を伝っていく。
このたくさんの涙は・・・先輩を想う恋心なんです。
Una storia di amore triste.