Novel

□年下のかえるくん
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寂しがり屋で、生意気で、憎らしいけど・・・好きだよ。





アジトの庭の大きな木の下。

フランは昼寝、オレは本を読んでいる。

寒いけど、こいつといれればなんでもいいや、と思ってしまうオレは病気かもしれない。


フランが風邪をひかないようにオレのコートをかけてやる。


寝顔はまるで天使のよう。


起きててもだまってれば天使みたいだけど。


口をひらけば・・・。



でもそこがこいつのいい所。



ムカつくけどな。


きっとヴァリアー1の毒舌家。


いつも大人っぽく振舞ってるけど、実はガキ。


・・・思いっきり甘えればいいのに。


最年少なんだしさ。


もしかして、甘え方知らないのかな。


柔らかいフランの髪に触れる。


フランから少しだけ声が漏れる。


可愛い奴。


どんな夢見てるのかな。


オレもお前と同じ夢みたいな。



・・・あ、もうこんな時間。



「フラン、起きろ。」



ちょっと体をゆすってみたけど起きる気配が無い。



「フラン。夜ご飯の時間だよ。ルッスと隊長に怒られるぜ?」



んー、と言うものの目を開けない。


いつまで眠るつもり?


オレの眠り姫。


ちゅっと優しいキスを一つ。


するとフランはゆっくりと目を開いた。



「あ、おはよーございますー。」


「しししっ、やっと起きた。ほら、行くぞ。」


「はーい。」



かわいい蛙姫と手を繋いで、アジトへ戻ることにしよう。


年下の男の子、でも弟とかいう感情は無い・・・といったら嘘だけど、


オレの立派なお姫様。



「フラン、愛してる。」


「・・・知ってますよー。」



フランは微笑んで言った。



「そっか。」


オレは空をみた。


綺麗なグラデーション。


フランが、口を開いた。



「先輩、これあげる。ミーの好きな花なんですー。」


白くて小さい花をオレに差し出した。


ありがとう。と言ってそれを受け取った。


満足するようにフランは笑った。




まだまだ幼さが残るお前が大好きだ。





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