悪魔の遊び歌

□黒い花嫁
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黒い花嫁

赤い花嫁















協会の鐘が
うるさいほどに鳴り響く
祝福の時を知らせるために





しかし、
そこに広がるのは
祝福とはかけ離れた光景


赤い悲劇




人々は皆
倒れている



花嫁は
血だらけで倒れている

白かったウェディングドレスは赤い紋が広がっていた




血だらけの真っ赤な結婚式






一人の女性が立っていた


彼女は屍達の中で悠々とワインを口にしていた


真っ赤な
血のような色のワイン




彼女の体は
返り血を浴びていた

白い肌に赤い紋が映える




女性はワインの入った
グラスを手に倒れた花嫁の本に歩み寄った


彼女は花嫁にグラスの中の赤いワインを零した

ワインを零すと
白いウェディングドレスの赤い紋が広がっていく


グラスのワインを
すべて零すと

グラスを床に落とした


パリンッ
と音をたてグラスは粉々になった





それを見て彼女は
クスクスと笑った








「人間の命って
なんて脆く 儚いものなんだろう?
人間の幸せって なんてちっぽけで くだらないものなんだ ろう?」






彼女は粉々になったグラスの欠片を踏みつけた




「幸せなんて
みんな壊れろ」















「幸せの痕なんて
みんな消えちゃえ」

















彼女は花嫁が纏っていた真っ赤なウェディングドレスを奪い

自分が纏った





そして彼女は
屍達を刃で切り裂いた

ズタズタに切り裂き
切り刻んだ



もう原型を留めておらず人間と呼ぶにはほど遠い


彼女の感情は
剥き出しの残虐な無邪気さ







いつしか、彼女の纏っていた真っ赤なウェディングドレスは

鮮血を啜り
更にその赤さは深みを増していた・・・











「幸せなんか
私がすべて



奪い去ってあげるよ…」

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