悪魔の遊び歌

□愚か
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闇夜の中に

断末魔が響く





鮮血のベール

大量の血飛沫

ドクドクと流れ出す血





深い雲に隠れていた
月が姿を表し

月明かりが照らす



その月は不気味な
血のように
真っ赤な月だった





月明かりに照らされた
小さな人影が一つ



血のような赤い瞳の少年

彼の足元には
見るも無惨な姿の屍


その屍は原型を
とどめておらず、
肉片と化していた



それを見て

笑う少年


手には鮮血で真っ赤に染まった剣が握られている

滴る鮮血を舐めとり
再び不気味に笑う



アハハハ

ハハ



少年の笑い声だけが
静寂に包まれた

闇夜に響く・・・











宵が明ける前ころに
少年は赤い惨場から

笑い声と共に姿を消した













宵が明けた

人々は惨場を
目のあたりにし
悲しみ恐れた




屍の家族

屍の友



彼等は
親しき者の姿を見て


悲しみ


そして、
親しき者を殺した主を

憎んだ




女性の金成声

子供の泣き声

喚き声


その場は
悲しみに包まれた








その様子を
影から見ている者がいた
赤い瞳の少年



彼は口角をあげ
笑っていた


「クスクスクス・・・

もっと、悲しみなよ

もっと、恐れなよ・・・」

そう呟いた







少年は悲しむ家族に
声をかける


「どうしたのですか?」


泣きながら女性は
主人が殺されたと言った


「へぇ、そう
親しき者が殺されたのですか

だったら、あなた達も気をつけたほうがいいですよ・・・」




彼は最後に
こんな質問をした


「あなた達は僕がどんな人に見えますか?」


女性は優しい人と答えた

「そうですか
ではまた、お会いしましょう」



少年はそう言い
その場を立ち去った

笑いをこらえながら・・・









クスクス

アハハハ

僕が優しい人?


あんたの主人を殺したのは僕なのにね


今宵、あんたに会うのが楽しみだよ



みんな殺してあげるよ
















真夜中、月明かりに照らされながら少年は歩を進める

手には血によって
鈍く輝く剣




クスクス

楽しみだ


あの女性は僕が
親しき者を
殺した人物だと知ったら

どんな顔をするのだろ?
クスクス














次から次へと
斬り殺す

切り刻む




血を見ると興奮するんだ
殺したいという衝動が
抑えられなくなる

動き出したら止まらない




断末魔を聞くのが
好きなんだ

そして、あの恐怖に怯えた顔を見るとゾクゾクする




アハハハ

楽しいんだよ





少年は血飛沫を浴び笑う
屍を切り刻む

肉片を踏みにじる






もっと僕を恐れなよ

もっと、もっと



もっと恐怖に歪んだ顔を僕に見せてよ














少年は一人たたずむ

彼の周りには幾つもの屍
肉片が転がっている



クスクス

アハハハ



少年は宵が明けるまでにその場から姿を消した
















少年は今宵も
惨劇を生み出す


己を満たすため

人を殺すことの
快楽を求めて


歪んだ感情












クスクス

アハハハ



さぁ、
もっと恐れなよ





僕を


満たしてくれ

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