悪魔の遊び歌

□儚き夜
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闇夜の中を

朱い蝶が舞う

血のような綺麗な朱




だが、蝶は

蜘蛛の糸に捕らわれる

自由を失い

静かに息絶えた






一つの鳥籠

中にいるのは蒼い鳥

深い海のような蒼

鎖に繋がれた鳥




鳥は歌っている



朱い涙を流し

喉から血を垂らし

苦しみながら,


尚も、

歌い続ける




歌いしは

悲しい旋律













紫色の蛇

鳥籠に纏わりつき

鳥の自由を奪う




この鳥が

幾度と空を願おうと



それは

無謀な夢



儚い夢



叶うことのない

永遠の願い














響くのは断末魔

卑劣な叫び声



血飛沫をあげ

倒れていく者たち



目の前には

血の海


生臭い血の臭い




世界が朱く染まった









その場には、


憎しみ

悲しみ

怒り

恐怖

殺気


殺すことへの快楽


憎悪


が満ちていた








人間は


これほどまで


哀れな


醜い



生き物なのだろうか
















夜空に浮かんだ


血のような紅い月




そして


月光のみが

その世界を照らす




まるで、

朱い舞台

を照らしているよう



血化粧された

屍たちが主役















一羽の鴉


まるで嘲笑うかのように
不気味に鳴いている




鴉は飛び去り

闇夜に紛れ

姿を消した







何もかも

飲み込んでしまいそうな

深い闇














最後に

聴こえてきたのは








小童の笑い声









闇の中に


笑い声だけが


いつまでも響いた

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