悪魔の遊び歌

□歪んだ世界
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歪んだ世界








一人の青年


朱い瞳に
ニタァと口角をあげた口元




自らの体

血肉を切り裂き


自ら刃で手足を切り落とした



刃に付着した
己の血を舐めあげる

その姿はとてもおぞましい



まるで狂ったように笑い
醜く地に這いつくばる



刃は鮮血に染まり

ギラリと鈍く不気味に光る










一つの体に二つ頭の
奇妙な双子の兄弟

いつも口角をあげ
不気味に笑ってる

二人なのに一人







二つ頭の兄弟


ガラスを割って
キラキラと綺麗に輝くガラスの雨をあびる

美しい凶器は
彼の体を切り裂く


彼は、笑いながら
体を血で染め上げる

朱い水溜まりに倒れて
動かなくなった


歪んだ双子の最期

最期まで狂ったように笑い死んでいった











美しい歌声の盲目の歌姫



でも、醜い姿・・・


上半身は美しい女性
下半身は醜い蛇の体


ただ、
盲目の歌姫は歌い続ける
その瞳に再び光を求めて


歌うたびに喉に痛みが走り

喉からは鮮血が滴り落ちる



喉から血を流しながらも
歌姫は歌い続ける


彼女が歌いうは
哀しい旋律









醜い黒い獣


殺戮しか知らぬ
破壊しか知らぬ醜い獣




血肉を啜り

屍を喰らうその姿は
おぞましい



今夜も極上の
ディナーを求め


獣は今宵も
屍を求めて歩き出す










死なない体

不死身の肉体をもつ少年

幾度も幾度も
ナイフで体を突き刺す




笑いながら
自らの体を突き刺す


歪んだ少年・・・
血だらけのその姿






不死身の少年


自ら体を斬りつける


自らの手で
腹を切り開き
内蔵を引きずり出す

笑いながら
内蔵を取り出す



少年は
自分の生暖かい
内蔵を手にのせ

頬をスリ寄せる




今度は、
心臓を引きずり出し

自分の手で握った



彼は自分の心臓を
愛おしそうに眺める


何度も何度も
心臓をナイフで突き刺す

けれど、
彼は不死身だから
死ねない



そうすると、
彼は再び心臓を愛おしそうに眺めた

一つ優しいキスをした



そして、自らの心臓、内蔵、体に火をつけた



そこらじゅうに飛び散った血の生臭い香り


肉の焦げる嫌な臭い


彼は骨にしか
残らなかった









屍から作られた
操り人形



幼き少女の肉体

胸を切り裂かれ

心臓をえぐり出され
人形にされた


鮮やかな服に包まれた
DEATH DOOL


操られ華麗に舞う


蒼いガラス玉の
美しい瞳


その瞳からは
朱い涙が一筋・・・






一人の幼い少女

彼女も歪んでいた



蝶を捕まえれば
羽を千切り


蟻を見れば
踏みにじる


鳥を捕らえれば
翼を切り落とし


蜘蛛を捕まえれば
水に沈める



そして、
少女は無邪気に笑う



残酷な遊びしか知らぬ彼女は

今日も、歪んだ遊び心を
満たすべく

新しい遊びを探す





剥き出しの無邪気な
歪んだ感情














彼らは皆
歪んだ世界の住人



逃れることはできない

死ぬまでこの世界で

狂い踊り続けるの






籠の中の鳥のよう・・・


見えない鎖で
繋がれてるのよ


絶対に逃れられない…









腐った肌が剥がれ落ちる
爛れた肌が目に映るの








転がった屍の

腐った肌を
カラスがつつき





私を嘲笑う


カラスは羽ばたき闇夜に紛れて消えた







まわりは、皆
バタバタと死んでいく



己に近づく死期

少しずつ私に迫ってくる
狂気






狂気に支配され


歪んだ人々が住む世界








今日も、

この歪んだ世界への
招待状はどこかで売られている










ある街の

通りを歩けば


黒ずくめの人物
子供たちに囲まれ
何かを売っている







ククク・・・


さぁ、



寄っといで








それは、
この歪んだ世界への招待状


真っ赤な闇への
招待状さ・・・

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