悪魔の遊び歌

□望みは・・・死
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暗雲の空の下

私は




刀を拾い上げ

この胸に刃を突き立てた





毒々しく流れ出す
我が血液

赤い水溜まりが広がり
すぐに私の体が赤に染まる



この汚れた血と共に
このくだらない心も

捨ててしまいたい・・・





そんなことを思えば
我が身に雨が降り注ぐ



冷たい雨は
人々に似ていた・・・

こうやって
私の体を段々と冷やしていくの





雨は私の体に付着した
汚れた血を洗い流す

しかし、血は止まらず
尚も流れ出続ける






雨は・・・

嫌いじゃあない




私の涙を

隠してくれるから









降り注ぐ雨

その音は哀しい旋律を思わせる



雨の鎮魂歌か・・・

悪くない・・・








徐々に訪れる静寂を感じ

そっと瞳を閉じた






静かに蘇る
過去の忌々しい記憶


笑顔、喜び、笑い声

それらは、いまでは
影を持たぬ

ただの幻影







迫る時を感じ
手を離せば・・・


徐々に沈んでゆく私



まるで、

深い深い水に飲まれていくよう





そっと片目を開けば
底の見えない暗闇が目に入った








別に恐怖心など

この胸に無い




これを私は望んだのだから








やっと


やっと・・・



この苦しみから
解放されるのだ・・・




そう思うと

自然と口角が上がり


自重気味に笑った







そして、意識を手放し



私は

独り



朽ちて枯れてゆく・・・

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