頼れる姉貴は副船長!! U

□第48話
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「ええい、邪魔をするな!!海軍(正義)が海賊(悪)を殺そうとして何が悪いんじゃあ!!!!」


「邪魔をしてんのはそっちだろうがァ!!姉(俺)が弟(ルフィ)を守ろうとして何が悪い!!!!」




同時に走り出す赤犬とキイチ。赤犬はマグマを、キイチは海水を。両者が激しくぶつかり合ったことにより、周囲に蒸気が立ち込め視界が白く染まった。



「キイチ!!」


「隊長!!」


「下がってろお前等!!」


「待ってください!自分がどれ程重症なのか忘れたんですか!?」



蒸気でキイチと赤犬の姿が隠れた。セツがそこへ向かって声を張り上げるが「下がれ!!」というキイチの声が返ってきただけだった。



「…っ、」



新たに後ろから現れた海兵達をいなしながら、セツはもどかしそうに蒸気を睨みつけて舌打ちをした。




≡≡≡≡≡≡




「ゴホ…ッ」



セツを下がらせたはいいが…如何せん、血が足りない。血が混じった唾液を吐き、未だ血が滴っているであろう腹に手を当てる。



「………?」



湿っていない。それどころか、さっき赤犬の攻撃を防ぐ為に使った左手の動かし辛さもなくなっている。そこを見れば傷が綺麗に塞がっているのが分かった。



「(どうして……)」



さっきまでぱっくり開いていた腹の傷が無い。よく見れば他の細かい傷までもが消えていた。何でだ?セツに抱えられてここに来るまでは傷が塞がらずにいたのに。

でも、



「(好都合だな…)」



原因は分からないが、傷は治るうちに治しておかねば。時間が経てばこの貧血も少しはマシになるはずだ。それに、きっとまだこの戦争は終わらない。それに親父達の怪我も心配だ。処刑台でセツからこっそり渡された阿修羅を抜く。



「(阿修羅)」


『どうした、主』


「(阿行と吽形は何処にいる?)」


『白鯨んとこだ』


「(…モビーか)」


『あぁ、ちゃんと"言いつけ"は守ってるぜ?あいつら』


「(…それならいい)」


『それよりも主の方がヤバイだろ。さっきから力が入ってねぇじゃねーか』


「(…五月蝿い)」



益々感覚が薄れ、今にも阿修羅を落としてしまいそうな右腕。左腕の火傷も治ってはいるが、どちらにせよ力が入らないのは右腕と同じだろう。阿修羅を睨んでいたら目の前の蒸気が揺らいだ。



「、っ!」



現れたのはマグマの拳。少しだけ忘れかけていたが、この蒸気の中には俺だけでなく赤犬もいるのだ。敵を目の前にして何もしないなんて事は有り得ないだろう。かろうじて避けた拳は俺の頬ギリギリを掠めていった。小さな火傷が出来たが5秒も経たないうちに消える。



「――外したか」


「あぁ、当たらなくて残念だったな。赤犬」



丁度マグマが通り過ぎていった所の蒸気が消え、赤犬の姿が確認できるようになる。勿論相手も同じ。ふと、赤犬の眉間に皺が寄った。



「…何故さっきまでの傷が消えてるんじゃ」


「…は?」



赤犬の言葉に首を傾げる。何言ってんだ?実験の事を知らないのか?つーか、実験だけならまだしも傷が治るとかそういう情報くらいは海軍に回ってたんじゃないのか?むしろ、今傷が治る事については俺が聞きたいくらいなのに。あ、れ?

どういうことだ?



「知らないのか?」


「何をじゃ」


「俺の傷が治る理由」


「知らんから聞いたんじゃろうが、ッ!」



俺の返答が気に食わなかったのか、赤犬が新たに攻撃を仕掛けてきた。勿論直ぐに避けたが俺の中では疑問がぐるぐると渦巻いていた。海軍の、しかも大将が実験の事を知らない?あの実験に海軍は全く関与してなかったのか?世界政府が独断でやっていた事なのか?確かに海軍が絡んでいるという情報は聞いたことがなかったが……



「(それほど後ろめたい事だった、もしくは他にも色々やってたってことか)」



これはあくまで推測。あの実験は海軍にばれたらヤバイ、厄介だと思うようなことだった。隠さねば政府が危険だ、というほどに。

海軍にだってちゃんとした善悪の分かる奴はいる。スモーカーや青雉が良い例だ。赤犬だって、過激ではあるが分かるところはちゃんと分かっているはずだと思う。そんな連中全員に叩かれるとなれば、いくら世界政府とえいど相当な被害を受けるだろう。そうなる危険性があるほどのものだったということか…?



「何を余所見しておる!!」


「!」



いけないな、考え事をしていてまたマグマを食らうところだった。仕方ない、気になることは山ほどあるがそれは全て後回しだ。



「さっさと終わらせて…………ッ!?」


「ッ何じゃ!?」



突然、足元が黒く染まった。踏み出した左足を急いで戻す。赤犬も黒く染まった地面から離れるように後ろへ跳んだ。






――――――知ってる。

――俺は、この"闇"を知ってる。





「――…出てきやがれ、居るんだろ?










ティーチ!!」





「ゼハハハ!久しぶりだなァ、キイチ!!」










相見えた海と闇

(全ての元凶)




*・*・*・*・*

更新速度が遅すぎる…!!orz
そしてやはり短く感じる…2ページは多いの少ないのかよく分からない(´・ω・`)

そんでもって、話がどんどんぐっちゃぐちゃになってきましたよ!
俺でさえこの先の話がどうなるのか分からないしね!(←え)
最終的にはなるようになるでしょうがね、多分。←

あと、広島に住んでるくせに広島弁分かってなくてすいません^q^←
正直言って俺は広島弁らしきもんは喋らんです、はい。
だって転勤族だったもの。一応広島生まれではあるけど広島育ちじゃないもの。


ちなみにタイトルの相見えた(あいまみえた)ってのは、(一応調べてみましたが)日本語的に合ってるのか俺自身よく分かってないです^q^←
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