頼れる姉貴は副船長!! U

□第43話
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それからは地獄だった。

薬物の注入は終わったが、身体がどれほどの傷に耐えられるのかを調べる為に腕に深い傷をつけたり、掌を銃で撃たれたり、酷い時は指を切り落とされたこともあった。

血が足りなくなったら輸血。
意識がトんだら叩き起こす。
身体が再生しなくなったら休憩。
そしてまた"実験"を始める。

そんな生活を繰り返されて、一体何日経過したのだろう。

血が足りずに貧血を起こした時の感覚を、肉が再生する感覚を、骨が生える感覚を、筋肉が形成される感覚を、何度味わったのだろう。


もう、心身共に疲れていた。



「………、…」


「最近は静かになったな、NO,19786」


「ま、静かな方が我々も実験をしやすいですからいいんですけどね」


「そうですか?私はNO,19786の悲鳴は嫌いじゃなかったんですけどねぇ」


「はは、趣味の悪い」


「此処にいる者は全員趣味が悪いと思いますけど」


「あー、確かに」



指を動かすのもダルい。男達の言葉を聞き取る事ですら億劫で、ちゃんと呼吸をしているのかすらもあやふやで。

…生きてんのかな、俺。



「それじゃ、今日はどうします?」


「そうですねぇ…心臓は流石にまずいと思うので、適当に他の臓器を傷つけてみましょうか」



ぐざり、身体に走った激痛。もう悲鳴を上げる力すら残ってない。喉の奥から血が溢れる。気持ち悪い感覚に顔を顰めた。腹の辺りに刀が何本か突き刺さっているのが見えた。



「おお!これでもちゃんと再生できるようですね」


「次は腕でも切り落としてみっか」



視界がぶれてきた。そういや昨日?、は輸血してなかったな。貧血か。

ゴトリ、と音がして。右腕が妙に軽くなって。軽くなった辺りからカッと熱くなって。あぁ、腕が切り落とされたのか。もうそれを見るのすらダルい。再生して行く様を見ているのか、男達が歓声を上げる。


―――俺、何の為に生きてるんだろう。


ふと、思った。昔の俺ならエースやルフィを守るためにとか、少しは思い付いただろう。だけど、今考えても何も思い付かない。何も、今の俺には無かった。

今度は左足の膝辺りから感覚が消えた。そろそろマジで意識がトびそうだ。
(血、足りねぇ。)



「あー、意識トばすなよ。まだまだ試す事は一杯あるんだからなー」


「…………は、…」


「ん?」


「…おれは……なんの、ために…いき、て、るんだ……?」



思った事を口に出した。こいつらが答えを出してくれるとは思ってはいなかったが、口に出さなければ何かが壊れそうだった。だけど、



「何の為に生きてるか…?」


「そりゃあ当たり前だろ、」











「俺等に実験されて、ぐっちゃぐちゃになるまで甚振られて、最終的には死ぬ為だ!」











明るい笑顔で言った男の言葉が酷く心臓(ココロ)に突き刺さった。



「大体よー、お前ってあの海賊王のガキらしいじゃん?」


「そんな奴は死んだ方が世の為だ」


「寧ろ何で今此処で生きてるのかが不思議なくらいだよな」


「研究体にしたのだって、死ぬ前に政府のために実験材料になってもらってせめて俺等の役にたってもらおうと思っただけだし?」


「それに、お前の目ってアルビノってわけでもないのに赤いだろ?何かしら他の研究体とは違う結果を残せるかと思ってな」


「ま、こうしてお前が政府のために、俺等のために役に立ってくれたのは嬉しい事実だけどな」


「でもさ、やっぱり思うんだよね」











「お前なんか生まれなければ良かったんだ」


(耳元で囁かれたソレに)
(俺の中の何かが音も立てずに壊れた)




*・*・*・*・*

………苦しい!(´;ω;`)
受験終わって書く話がこれかよ、と思いますよ自分でも。なんつー暗い話を書いてんだよ俺。というか血表現が苦手な方は本当に申し訳ありません。我慢ry

多分この次か、この次の次の話辺りで過去編は終わるかと思います。(そこ、早ッ!とか言わない!!)

…そういや今回名前変換なかったな(;´`)
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