頼れる姉貴は副船長!!
□第30話
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≡≡≡≡≡≡
「………で、」
「むぐむぐむぐ…」
「…いつまで食べるつもりだ?」
「…俺の腹がいっぱいになるまで、かな?」
「ふざけんなこの野朗」
「あだっ」
そろそろ4ホール目のアップルパイを完食しそうなキイチを殴る。コイツ…飯はあんまり食わないくせにアップルパイだけはたくさん食いやがって……。飯食えよ、飯。
「アップルパイだけは別腹だから。俺は」
「知るか」
「、んぐ」
そしてついに4ホール目まで食い終わったキイチ。……マジでよく食うなコイツ。
「おいこらキイチ」
「ん?どした?スモーカー」
「そろそろ話せ」
「……何を、」
「誤魔化そうとすんな。俺がわざわざアップルパイ4ホールも奢ってやったんだ。ちゃんと話せ」
「…んー…」
少し俯いたキイチの目は、何かよく分からないが哀しみ帯びていた。
そういや、たしぎが何か言ってたような…
「確か…黒ひげ、だったか?」
「…やっぱり知ってるんじゃねぇか」
「たしぎが言ってたのを思い出しただけだ」
「…、あっそ」
「情報は集まったのか?」
「全然」
むすっ、とした顔で紅茶を啜る姿はまるで子供のようだ。…いや、まだガキだったなコイツは。
「…何か失礼なこと考えただろ」
「いや。お前はまだガキだったなと思っただけだ」
「失礼だな!俺はガキじゃねぇ!もう23だ!」
「まだ23だろうが」
「黙れ三十路!」
「牢屋にぶち込まれたいかテメェ」
「…手紙では俺以外には捕まんじゃねぇとか書いてたくせに」
「…………」
随分と前に送った、2行しかない手紙と言えるか分からないようなアレ。ちゃんと読んでたんだな、コイツ。良かっ……………、
…いや、待て。俺は何で少し喜んでんだ。ただキイチが俺の手紙を読んでたってだけだってのに。
…だが、この国でキイチを見た時にキイチがまだ誰にも捕まってないっていうことに自分が少しほっとしたのも事実。
…いやいやいや。
「(待て待て待て。落ち着け俺。コイツは海賊で俺は海軍だ)」
「…スモーカー?」
「(しかもコイツは女らしくもねぇし自分のことは俺って言ってるし)」
「スモーカー」
「(コイツはガキコイツはガキコイツはガキ……)」←暗示中
「おーい」
「…はっ!!」
どこかに行っていた意識がキイチの声で戻ってきた。俺は一体何を考えてた!?こんなガキ相手に!?
「?どした」
「……なんでもねぇからこっち見んな」
「あだだだだ!?」
こっちを見てくるキイチの頭を掴み逆を向かせる。ぐきっ、という音が聞こえた気がしたが気にしない。
「…黒ひげの情報を集めてんだろ?」
「いだだ…。…まぁ、な。それがどうした?」
「……少しだけなら教えてやる」
「え、」
「だが」
≡≡≡≡≡≡
俺の頭を掴んでいたスモーカーの手は離れて、今度は俺の肩を掴んだ。
―…ああもうこれデジャビュ。
「…絶対に、!」
「…どいつもこいつも、俺を誰だと思ってんだよ」
言いかけたスモーカーの口に人差し指を当てる。オヤジも、マルコも、お前も心配しすぎだっての。
「白ひげ海賊団の副船長だぜ?」
ニヤリと口端を上げて笑う。少し呆気に取られたようなスモーカーの顔が面白くて、ますます笑ってしまう。
「たかが一人の海賊にやられやしねぇよ」
負けるぐらいだったらお前に捕まった方がマシだ。と言ったらスモーカーの目は見開かれた。
「そもそもお前は海軍だし俺は海賊だ。心配するのはおかしいだろ?」
俺の肩を掴んでいるスモーカーの手をゆっくりと外して、固まってるスモーカーの目を見る。
「…教えろ。あいつは、ティーチのクソ野朗は何処にいんだよ」
絶対にぶっ飛ばすって決めたんだよ。サッチとセツに約束した。
約束を守るために
(行かなくちゃいけないんだ、俺は)
(なーなー、キイチは来てないけど良いのか?)
(多分大丈夫だ。スモーカーだし)
(ふーん?)
(…本当は行かせたくなかったんだけどな)
(だよな!)
(((つーか誰だこの人!!)))
いつの間にかメリー号に乗っていたエースとルフィと、エースが誰なのか聞きたいけど聞けない麦わらクルー達。
*・*・*・*・*
何か話が進まない上にヒロインのキャラが分からなくなりつつある今日この頃です。
うぬぅ、話がごちゃごちゃしすぎて分からなくなりそう……。(´・ω・`)
でもそろそろ麦わら海賊団と絡ませられそうなので、とりあえずは良しってことで←
ていうかスモーカーさん好きです。かっこいいよなぁ…。…はっ!マルコも大好きだからね!←
えーと、話がよく分からない人のために一応解説を。
基本、スモーカーとキイチは仲が良い…はず。でもスモーカーの大人な雰囲気に押されてしまうキイチ、って感じです。あ、決してマルコ達が大人じゃないってわけじゃないですよ!
ちなみに言うと、スモーカーはキイチを子供扱いしつつも結構意識してたりしますww
というかワンピースのキャラって何であんなに腹筋が素敵なのだろうか…。何だか無性に触りたくなりますよね(←おい)