頼れる姉貴は副船長!!
□第23話
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「なっ……セツ!!?」
「ねぇーさんvV」
いや「vV」じゃねぇよ。この殺伐とした雰囲気を感じ取れないのかお前は。
何故コイツを特攻隊の副隊長にしてしまったのか後悔したくなるが、そんなのは今に始まった事ではないので放っておく。
「セツ!今はふざけてる場合じゃねぇんだよ!離せ!!」
「いーやーれーすぅー!!」
あぁもうこの馬鹿力!!何でコイツは無駄に力が強いんだよ!!
俺の背中に張り付いているセツを剥がそうとするが如何せん、コイツは本気を出せばジョズと張り合える程の力があるから俺にはどうする事も出来ない。
「セツ、後で褒美をやるから離せ」
「はぁーいvV」
まぁ馬鹿だからあまり意味は無かったりするのだが。
「サッチも連れて行けよ!」
「了解れすー!」
「―…そんな簡単に俺が逃がすと思ってんのかァ?」
ドスリと、後ろで嫌な音が聞こえた。
「か、はっ…――?」
「―――セツ!!」
ティーチは隠し持っていたナイフを投げた。………サッチを担いだセツの左胸へ。
「セツ!おい、しっかりしろ!!」
「ごほっ、……ねぇ、さ………」
「セツ!」
まだ意識がある…!!急所をやられてはいるが、今なら俺の血を飲めばまだ間に合う……
また、ドスリと音がした。今度は俺の背中から。
「…ちっ、!ティーチ、てめェ…ッ!!」
振り返りざまに刀を振るが避けられる。舌打ちしてから、刀をティーチに向けて立ち上がる。
「おぉっと、俺の相手をしても良いのかァ?」
ハッとして、目だけで後ろを見る。
サッチの傷は治りつつあるが、セツの左胸からはじわりじわりと血が溢れている。
「…、どうせ俺が背中を向けたらまたナイフでも投げるつもりなんだろ?」
「ゼハハハハ!よく分かってんじゃねぇか!」
「…クソが……!!」
ティーチの言葉に苛立って、俺の背中に刺さってるナイフを乱暴に抜く。血は勢いよく噴き出すが、痛みはあまり感じない。俺の血がべっとりと付いたそれを勢いよくティーチへ投げる。
油断でもしていたのだろう、ナイフはティーチの腕に刺さった。
「うぐァッ!!」
「余程俺に傷をつけれた事が嬉しかったみたいだなァ、ティーチ……」
ティーチを鼻で笑って、俺は持っていた刀三本を鞘ごと後ろに投げた。
「阿修羅!阿形!吽形!」
それぞれの名を呼べば刀は煙に包まれ、その中から人が出てくる。
『呼んだか?』
『『主ー!』』
「…何だァ?」
煙から出てきた阿修羅、阿形、吽形。それを見たティーチはますます眉を潜める。だが、説明なんざしてやる義理もねェ。
「阿形はセツに俺の血を飲ませろ!吽形は阿形と一緒にセツとサッチを医務室に運べ!阿修羅は急いでこの事をオヤジに伝えてこい!」
『……分かった』
『えぇー!嫌だよ!!』
『僕だって闘いたい!』
阿修羅は言う事を聞いて早足に部屋を出たが、阿形と吽形はだだをこねる。
あーもう、めんど臭いなコイツら…!!
「阿形!吽形!命令だ!!早くしろ!!」
『うぅ〜……』
『……分かったよ』
「ん、よし。ほら阿形」
命令という言葉に、渋々といった様子で阿形も吽形も頷く。俺は吽形には先にサッチを運ぶように言い、阿形に手首を差し出す。
『…あんまりやりたくないんだけどー…』
「早くしろ」
『…う〜〜…っ、』
阿形は凄く嫌そうに口を開き、ガブリと俺の手首に噛みついた。傷が治っていた手首からはまた血が溢れる。
阿形は10秒程で俺の手首から口を離し、走ってセツの所へ向かう。…後はもう任せても大丈夫だろう。
「…終わったか?」
「待っててくれるとは随分親切じゃねぇか」
「ゼハハハハ!俺はお前を殺す気は無いからな!」
「…仲間に、なれってか?」
「そうだ!お前と俺が手を組めば海賊王になる事なんざ容易い!」
「…興味ないな。俺はオヤジを海賊王にする」
木刀と銃を腰から引き抜く。木刀だけで殺すのは難しいが、銃もあればこの馬鹿を叩きのめすくらい簡単だ。
油断しきっているティーチの腹と両足に銃で一発ずつ。
「ぅぐぁ!?」
「…まずはサッチの分」
そしてティーチがよろめいたところで、木刀で顎へもう一撃。
「ぐ、がっ!!」
「これはセツの分…!!」
倒れかけたティーチの方へ大きく右足を踏み込む。銃は横へ放り、両手で木刀を持って全力を込めた。この一撃で終わらせる…!!
「――キイチ!!」
不意に、後ろからマルコの声が聞こえた。
同時にティーチの口端が吊り上がるのが見えた。
「―――『闇水』!」
体が、引き寄せられた。
≡≡≡≡≡≡
エースの絡み酒のせいで30分もかかり、やっとサッチの部屋近くまできた。と、同時に勢いよく開く扉。
「………サッチ!?」
そこから出てきたのは見たことのない青い髪のガキとサッチ。だが、サッチはぐったりとして動かない。
何だ?あのガキがサッチをやったのか?あのガキは…?、と考えているうちに青い髪のガキは走っていった。
追い掛けようかと思ったが、青い髪のガキが走っていった方向にあるのは医務室。敵、じゃねぇのか……?
首を傾げていると、また扉から勢いよく何かが出てくる。今度は赤い髪のガキとセツ。
赤い髪のガキが担いでいるセツからは夥しい程の血。
「一体何だよい…、……ッ!?」
サッチの部屋から溢れ出てくる覇気と殺気。この覇気は…恐らくキイチだ。
…だが、これ程までに凄い覇気は初めてだ。扉越しなのにも関わらず、痛いくらい肌にビリビリと伝わってくる。それぐらい、キイチが怒っているという証拠だ。
「――キイチ!!」
気付いたら、体が勝手に動いていた。
「―――『闇水』!」
飛び散った紅
(……キイチ…?)
(…何、やってんだよい……?)
…何で、キイチの背中から、剣が生えてるんだ?
*・*・*・*・*
中々話が進まない…(汗)
しかも話がグチャグチャで意味分からん…!!絶対どこかで矛盾してる…!!
分からなかった人のために説明しておきます!最後の「…何で、キイチの背中に、剣が生えてるんだ?」ってのはマルコの台詞で、ヒロインが前からティーチに刺されて、剣が背中まで貫通してるのが見えたという……い、痛そう。分からなかった方々、すいません!
あと、駄文すぎてすいません…!m(__)m