頼れる姉貴は副船長!!

□第8話
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「久しぶりだなー」


「そんなに変わってないだろ」


「んー、確かにな。けど人は増えたんじゃないか?」






のんびりと話ながら一番ドックの中を歩くキイチとアイスバーグ。……と後ろにいるパウリーとルッチとカク。







「あ、アイスバーグさん!!おはようございます!!」


「ああ、おはよう」


「アイスバーグさん!!後でこの船見てくれませんか?」


「分かった。後で見に行こう」



「おぉ、頼りにされてるね市長さん」


「ンマー、その言い方やめろ」


「さて、次はどこに行く?」


「無視かおい」






「アイスバーグさんとキイチ、何か楽しそうだな…」


「そうじゃのう…」


「クルッポー…」




淋しそうな取り残され組。それに気付いたアイスバーグが3人を呼ぶ。




「(お前ら、キイチと仲良くしたくないのか?)」


「(…そりゃ仲良くしたいですけど……)」


「(なら話しかけろ。基本キイチは人見知りだから自分からは来ないぞ)」


「(……)」




そんな事言われたってあれだけ仲良い雰囲気を出されたら話しかけられないですよ、アイスバーグさん。







「(とりあえずパウリーから行け)」


「(なっ!?お、俺からかよ!?)」


「(早く行け!!)」





「……キイチ。ヤガラレースに興味あるか?」


「ヤガラレース?」





「(馬鹿かパウリー!!何故いきなり博打に誘っておるんじゃ!!)」


「(有り得ないッポー)」


「(ンマー、アイツに行かせたら駄目だ。カク、ルッチ行ってこい)」




「のうキイチ、おぬしは何か買いたいものとかあるか?」


「業物の刀が欲しいな…」


「そ、そうか……」





「(普通そこは服とかだろ!!一応女なんだから!!)」


「(キイチはそういう奴なんだよ……)」


「(今度はルッチが行くッポー)」





「…キイチ、何か食べたいものは「アップルパイ!!」……クルッポー?」


















「うまー」


「「「「……(キュン)」」」」




所変わってこちらは街のケーキ屋。

キイチが口一杯にアップルパイを頬張っているのを見て胸をときめかせる4人。……いい年した大人が真っ昼間からケーキ屋で何してんですか。パウリーやカクはともかく、ルッチまで。最初会った時の警戒心はどこいったんだ。しかもアイスバーグ、あんた市長でしょうが。








「アップルパイうまー」


「「「「…」」」」


「最高ー」


「(やっべ可愛い……!!)」


「(本当にこいつが烏なのか……?)」


「(とても賞金首には見えんのう…)」


「(ンマー、無防備すぎるだろ)」










結局、キイチがアップルパイを食べ終わるまで4人の口は緩みっぱなしでしたとさ。


















≡≡≡≡≡≡





「パウリー、カク、ルッチ!!今度はあっち行こうぜ」


「おう」


「分かったわい」


「今行くッポー」





結局なんやかんやで仲良くなったキイチ達。詳しく聞かないで下さい。とにかくなんやかんやなんです。



ちなみにアイスバーグはカリファによって連れていかれた。








「あ、」


「どしたキイチ……ってアイツら…」





キイチが見た先には海賊……と睨み合っている職人達。どうやら海賊が金を払わないようで、これから戦闘になりそうだ。






「わしが……」


「いや、俺が行く」


「キイチ!?」


「今日案内してくれたお礼だ」






ニッと笑ったキイチはフードを被り、ゆっくりと海賊と職人達の所へと向かった。

パウリー達はそれを少し不安そうに見送った。













≡≡≡≡≡≡



「だからよ〜、俺らにはこの修理代は高すぎるんだよ」


「だから1ベリーも払わない事にしたんだよ!ギャハハハハ!!」





「お客さ「こっちの奴らにあんまり迷惑かけんなよ」……へ?」




職人の言葉を遮ったキイチ。ちなみにフードを被っているので海賊や職人達には誰か分からない。






「何だお前?」


「ガキは引っ込んでろ!!」



「…ガキはお前らだろ」





ギンッ




「「「……っ!!?」」」





キイチが睨んだ途端、ほとんどの海賊達が気絶して倒れた。





「なっ……!!?」


「い、今のは何だ!?」



「へぇ、今の覇気でも倒れないのか。ま、中々抑えてたしな」


「お、お前は……」





ドスッ




何者だ、と続くはずの言葉は途切れて男は倒れた。いつの間にかキイチは木刀を持っている。




「ん、俺あんまり時間使いたくないんだよ。悪いな」














「すげぇ……」


「強いのは本当だったんじゃのう…」


「何か意外だッポー……」







10分もたたないうちに、キイチは木刀1本で海賊を全員倒していた。

その海賊団の船長は中々高額な賞金首だったのだが、キイチはあっさりと倒してしまっていた。







「ンマー!!派手にやったなキイチ!」


「お、アイスバーグ。あー、そういやコイツ賞金首っつってたな。やる」










誰もがいきなり海賊を薙ぎ倒したキイチに唖然としてたが、1人、2人とキイチに話しかけていき、瞬く間にキイチは職人達と仲良くなっていった。

その後、賞金首の海賊は受け渡され、その金で宴会を開く事になった。




















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