頼れる姉貴は副船長!! U
□第45話
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此処は何処だ…?
真っ暗で何も見えない。前も右も左も後も、自身の掌さえも。
何で此処にいるのか、どうやって此処に来たのか、一体此処は何処なのか。という疑問が浮かんだものの、ぱちんとシャボン玉が割れる時のように消えて無くなった。まるで、何も考えるなというように。
…眠いな。最近は碌に眠れてなかったから。
…ん? それっていつの話だ?確か、この前はちゃんと眠れたような――
ぱちん、と。またシャボン玉が割れたような音が脳内で聞こえた。
…今、俺は何を考えてた?
じわじわと思考が融ける。何も考えるなと何かが囁く。
…駄目だ。俺は、ティーチを、殺して、それで、みんなに、
ぱちん、ぱちん、ぱちん。記憶の中のものが爆ぜるようにして消えていく。それを必死に繋ぎ止めようとするが間に合わない。
――…だめ、だ。まだ、おれ、は、
ぱちん!と一際大きな音がした。
真っ暗闇が俺を包み隠すように纏わりつく。
――――眠れ。今だけは安らかに。
真っ暗闇の思考の中で、誰かが囁いた。
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