頼れる姉貴は副船長!! U
□第40話
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「………」
いつもと変わらない海。……変わらない、はず。なのに感じてしまう違和感。
何かが違う。何かがおかしい。
「………」
じっと見つめてみるが、何が違うのか明確には分からない。
見間違いなのか、それとも本当にそう見えているのか。青く透き通ってるはずの海が黒く濁って見えた。
「……キャプテン、どうしたんだろ」
「最近ずっと海を見てるよなー」
「あぁ、ここ一週間ずっとだ」
「いつもならキイチ不足だーとか言って暴れだすのに」
「キイチのこと嫌いになっちゃったのかな?」
「「それは絶対無い」」
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何だか嫌な胸騒ぎがした。心臓の辺りからもやもやと黒く染まるような感じの。
どうしてか分からないが海を見なくてはいけない気がした。海を、アイツを思い起こさせる海を見なくては。飯屋に行こうとしていた足を無理矢理曲げ、船へと帰ろうと踵を返した。
「あれ、頭?何処へ行くんですか?」
「飯食うんじゃなかったんスか?」
「…気が変わった。お前等だけで行ってこい」
「いいのか?」
「俺がいいっつてんだからいいんだよ。お前も行ってこい、キラー」
「…分かった」
早く、早く。海を見なければ。そうでもしなければこの嫌な胸騒ぎは収まらない。
だが、海を見てもその胸騒ぎは収まらず、寧ろ更に胸騒ぎは激しくなる事を今の俺は知らない。
(何で、青いはずの海が黒く見えんだよ。)
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