頼れる姉貴は副船長!!
□第36話
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「ええー!?もう行くのかよキイチー!!」
「仕方ないだろ。俺達は黒ひげを追ってんだから」
このままじゃ追いつけないからな、と真剣な表情でルフィに話すキイチ。その後ろでは兄ちゃんもいるんだけど!?と騒ぐエースもいる。
「もっとこの船にいろよー!」
「却下。もう行くからこの手放せ」
「いーやーだー!!」
「兄ちゃんは引き止めてくれないのかルフィ!?」
「エースだけで行けばいいじゃねぇか!!」
「酷い!!」
ルフィが反抗期に…!!と嘆くエースは放っておいて、キイチは自分の胴体にぐるぐると巻きつけられているルフィの腕を引き剥がそうとしていた。哀れ、エース。
「ルフィ、そろそろ手を放せ」
「うぅ〜…」
「それ以上手に力を入れるな。苦しい」
「俺の船に乗れよ〜…」
「却下」
「うううぅぅ〜…」
唸っても駄目だと言わんばかりにキイチはルフィの腕をぺしぺしと叩く。ルフィは(かなり)渋々だったが離れていった。
「絶対また来いよなー…」
「ん」
「次来た時はもっとここにいろよー…」
「ん」
「副船長に」
「却下」
「うううううううぅ〜…!」
言葉を遮られて悔しそうに甲板を殴るルフィ。キイチはそれを宥めるように頭をぽんぽんと撫でた。(ちなみにその間、エースは甲板の隅のほうでのの字を書いていた。)
それから、キイチはポケットから紙を取り出してルフィに手渡した。
「ほら、これをやるよルフィ」
「何だこれ?」
「ビブルカードだ。それを持っていればいずれまた俺と会えるだろう。持ってろ」
「ただの紙じゃねーか」
「いらないか?」
「…いや、いる!!」
「ルフィ!兄ちゃんのもやるぞ!!」
「キイチ!また来いよな!!」
「あぁ、全部終わらせたらまた来る」
「そろそろ本気で泣くぞ!!」
その後、エースも何とかルフィにビブルカードを渡すことができた。
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