頼れる姉貴は副船長!!

□第28話
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「…この馬鹿エース!」


「ごめんなさいぃいいい!」



額にうっすらと青筋を浮かべるキイチと、そんなキイチに怒られているからかなのか涙目になっているエース。キイチの怒りように、二人を取り囲んでいる海兵達ですら近づけないでいる。






なぜこんな事になったかというと、数分前。ホテルに戻ろうとしていたキイチの目の前に現れたエース……………………とそれを追いかけるたくさんの海兵達。

大方、食い逃げでもしたのだろうとすぐに予想できたキイチだが、海軍まで来たのは流石に予想外だった。


そしてエースはキイチの姿を確認すると、



「悪いキイチー!食い逃げした店に海軍の奴らがいぐあふっ!」



キラキラという効果音が付きそうなぐらい爽やかに手を振りながら言ったエースがムカついたキイチ。すれ違い様、エースに右ストレートを食らわせた。



「馬鹿エース!んな事言ったら…「烏のキイチもいるぞー!」……やっぱり……」


「ん?どした?キイチ」


「…何でもない。ただお前が何を言っても無駄な馬鹿ってのが分かっただけだ」


「えええ!?そこまで俺は馬鹿じゃね「そんなことを言うのはこの口か?ぁあ?」すいまひぇんっ!!」



反論をしようとするエースの頬を掴み、左右に引っ張るキイチ。キイチはうっすらと覇気を纏っているのか、自然系なのにキイチの手から抜け出せないエース。

折角食い逃げはするなと注意したのに、と項垂れたキイチだったが、エースを追いかけている海兵の数にあまり悠長な事は言ってられないと戦闘体勢に入る。



「ちっ……エース、後で殴るからな」


「すでに3回くらい殴られてるんだけど!?」


「喧しい。黙れ」


「ドS!!…でもそんなキイチもかっこよくて好きだ!」


「マジで船に帰すぞ」


「すいませんっしたぁ!!!」



いつまで経っても険悪な雰囲気の姉弟。海兵達も攻撃していいのか困っている。そろそろ可哀想になってきたから喧嘩もほどほどにしてあげて下さい。お願いだから。



「…さっさと行くぞ。あんまり時間は無駄にしたくねーからな」


「おう!」





「『水流包囲』」


「『火拳』!!」






















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