頼れる姉貴は副船長!!
□第23話
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何が、起きてる?
「おぉ、副船長か。どうしたんだ?」
何で、ティーチがココにいる?
「宴に混ざってこなくてもいいのか?」
何で、
(サッチ、)
「どうした?そんなに驚いた顔して」
なんで、
(起きてよ)
「あァ、コレのせいか。ゼハハハハ!」
ナンデ、
(夢だと言ってよ)
「…、…………」
「ん?どうした?」
ゴオォッ!!
「!!?」
「……、ティーチ…」
覇気と殺気が、抑えきれずに溢れ出す。
ティーチは冷や汗を垂らしているがそんなのは目に入らない。
「言い訳、してみろよ」
…まぁ、何を言っても許す気はねェけどな。
≡≡≡≡≡≡
「?」
少しだけキイチの覇気を感じて振り返る。
「どした?マルコ」
「いや……」
…こういう時の嫌な予感って、大体当たっちまうんだよな。
「エース、キイチの所に行くぞ」
「キイチ!?どこだ!?」
「ここにはいねェよい」
…あぁ、この馬鹿(エース)も酔っ払っているんだった。
ま、いないよりはマシか。
「…確か、サッチの部屋だったな……」
≡≡≡≡≡≡
……ヤミヤミの実?
それが欲しかったから、
そんなものが欲しかったから、
サッチをコロシタ?
「…は、はは」
あぁ、
「…ふっ、はははは、は」
もう駄目だ、
「はは、はははははは!」
「…何だ?サッチが死んだのがそんなに可笑しかったのか?」
この救いようのない馬鹿はどうしてくれようか。
……いや、その前に
―…ブシュッ!
「なっ、!?」
阿修羅を鞘から抜き、俺の手首に当てる。そして骨や筋肉をあまり傷付けないように刀を押しつけた。ティーチが驚いているが無視。
たった今できた俺の手首の傷から大量の血が溢れ、部屋のカーペットを汚していく。傷は白煙を出しながら消えようとするが、刀を押し当てたままだから傷は完全には治らない。
「……サッチ、」
サッチはまだ微かにだが、脈がある。しかし、このまま放っとけば死んじまう。
「…ほら、飲め」
サッチの口を開け、そこに俺の手首を近付けて血を流し込む。俺の血なら、多分回復できるはずだ。
…クソ政府共の実験に感謝なんかしてやらねェ。つか、これで駄目だったらあの馬鹿共を即刻潰しに行ってやる。
「…ティーチ」
「!!(ぞわっ)」
サッチがちゃんと血を飲んだのを確認して、立ち上がる。もう阿修羅の刃は手首から離していた。俺の手には血がこびりついてはいるが、既に傷跡すらない。
「お前、どうやって死にたい?」
顔を青くしているティーチを嘲笑うかのように口を歪める。言ってる間にも俺は阿修羅をティーチに向ける。
「…ほら、どうして欲しい?」
もう一度、覇気と殺気をぶつけた。
「ねーぇさーんっvV」
この場に似つかわしくない声が響くと同時に背中に衝撃が走るまでは。
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