頼れる姉貴は副船長!!
□第19話
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「……」
イライラ
「キイチ隊長がつけてるネックレスってマルコ隊長とお揃いらしいわねー」
イライライラ
「ピアスもエース隊長とお揃いらしいわよ。二人共似合ってたわー」
イライライライラ
「あ!それとサッチ隊長ともお揃いの…」
……ブチッ!
「キイチィィィィィィ!!」
「何事!!?」
「………なぁ、何アレ」
「……俺に聞くなよい」
俺とマルコの視線の先にはキイチ。…正しくは、オヤジの膝の上に座っているキイチ。ちなみに若干顔が引きつってる。
いや、マジで何アレ。
マルコに視線で訴えても、俺に聞くなとばかりに目を反らされる。そして俺はもう一度キイチとオヤジを見る。
……何か、オヤジの機嫌が悪い気がする。てかオヤジ、覇気出てないか?キイチはあそこにいて大丈夫なのか?心なしかキイチの顔色が悪いように見える。
……ヤバくね?
「…オヤジ」
「……何だ」
「…いや……何か用事があったんじゃないのか?」
朝。書類を書いていた俺は、いきなりオヤジに呼ばれて急いで出てきた(あ、やべ。書類出しっぱなしだ)。だが出てきた俺にオヤジが言った言葉は……―
「座れ」
「………は?」
首を傾げた。オヤジ、座れって何処に。……いや、オヤジが指しているのはオヤジの膝。マジか。この年になって(一応23歳)オヤジの膝の上に座るのか俺。いや、別に嫌とかいうわけじゃないが(むしろ少し嬉しい)。隊員に見られたらヤバイだろオイ。どうしたら良いんだ俺。
と、悶々と頭の中で葛藤してたらオヤジから覇気のような黒いオーラが出てきて、静かにもう一度言われた。
「……座れ」
「喜んで座らせて頂きます」
ちなみにあれからずっと座らせている。そろそろ昼になる時間だから隊員達もほぼ起きている。そのため俺はさっきから痛い程の視線を浴びていた。
…は、恥ずかしい……!!!
「…オヤジ……」
「何だ?」
「…あの、用事は……?」
「無いな」
「……え」
「用事は無い。だからそのままそこに座ってろ」
『(えええぇぇ!!!!!)』
マジでか。オヤジの一言で俺や周りにいた隊員達に衝撃が走る。いつまで俺はここにいたら良いんだ。てか何て理不尽な……。何この羞恥プレイ…!!
「…オヤジ……」
「……」
「お、オヤジ……」
「………」
無言。本当にどうしたら良いんだよ俺……!!
「……キイチ」
「…ん?」
「……………」
「オヤジ?」
「……………はぁ」
「??」
溜め息を吐かれた。一体何なのだろうか。今日のオヤジは何か変だ。てか人の顔見て溜め息を吐くのは失礼じゃね?
≡≡≡≡≡≡
………はぁ
絶対コイツは気付いてねぇんだろうな。俺が不機嫌な理由を。
もう一度自分の膝の上にいるキイチを見下ろす。……やはり目に入るのはネックレスやらピアスやらスカーフ。
元々キイチはアクセサリーの類はよく身に付けていた。だが、これらは少し違う。
あの顔の緩みまくった息子共を見れば大体の事は分かる。所謂、お揃いとかいうものだろう。
……イラッ
それは、ヤキモチ
(……イライラ)
(…苦しい)
(キイチ、いつまであそこにいるんだろうな…)
(……俺が知るかよい)
(てかさっきよりオヤジの覇気凄くね?)
(……ガクッ)
(((あ、キイチが気絶した)))
オヤジがキイチの気絶に気付くのは5分後。
でも、本当は自分とキイチの背中に“お揃い”があるのをオヤジは知っている。
*・*・*・*・*
アンケートリクより
『マルコ達のお揃いを羨ましがるオヤジ』です!!
匿名さま(名前がなかったのでこう呼ばせて頂きます)オヤジの項目を作るの忘れてました;すいません!
こんな感じで良かったですかね?オヤジの口調ってよく分かんないんですよね(汗)