頼れる姉貴は副船長!!
□第13話
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「うわぁ!?」
「踏み込みが浅い!」
「ぎゃああっ!!」
「腰が引けてる!もっと自信を持て!」
「うああああ!!」
「力だけで突っ込むな馬鹿が!」
「………」
一体何でこうなったのか。それは俺、セツが説明しよう。(あ、ダジャレじゃないからな!!)
≡≡≡≡≡≡
事の発端は一時間程前、それは我らが姉さんであるキイチ隊長の一言により始まった。
「なーんか暇だな……」
「珍しいな、キイチが暇なんて」
「だよな。いつもエースとかエースとかエースとかに邪魔されて何もできないからな」
「…ごめんなさい」
「んで、何かすんのか?」
「あ、サッチ」
「さっきから俺いたんだけど!!『あ、いたんだ』みたいな顔すんなエース!!」
「うーん…………、あ」
「お、決まったか?」
「何すんだ?」
エース隊長とサッチ隊長が姉さんに聞いたら、姉さんは楽しそうにニッ、と笑った。(あああ!!その笑顔は素敵すぎます姉さん!!)
「……オヤジに許可貰ってくる」
「「??」」
そう言って姉さんはオヤジの所へ行ってしまった。(あああぁ、姉さん行かないでえぇぇ!!)
――…数分後……
「キイチ帰ってこねーな」
「オヤジに反対されたとか?」
「てか何するつもりなんだよい…」
〈ガガガー、ピー〉
「何だ?スピーカー?」
〈ザザー…ぁー…、ザー〉
「……?」
〈ザー………あーあー、あれ?これで良いんだっけオヤジ?〉
「キイチ!?」
〈グララララ!!ちゃんと聞こえてるぞキイチ!!〉
〈ん、じゃ良いか…〉
「何だ……?」
ここで声は一回途切れ、姉さんが大きく息を吸うのが分かった。そして、
〈これより、第一回組み手大会を始める!!!!〉
「「「「……は?」」」」
〈ルールは簡単!クルー全員vs俺だ!!俺に勝った者には褒美をやる!!!死ぬ気でかかってこい!!!〉
「「「…………えぇえええぇぇえ!!!?」」」
船にクルー達の絶叫が響いた。(もちろん俺のも含めて)
≡≡≡≡≡≡
……というワケで冒頭に戻る。
「おらおらおらァ!!お前らやる気ねェのかァ!!?ああ゚ん!!!?」
「ギャアアアア!!」
「姉さんのテンションが上がってるぅうう!!」
「皆逃げろぉおおお!!!」
最近敵襲が無かったため、久しぶりの戦闘(といっても組み手だが)にテンションが上がってる姉さん。
……姉さんのテンションが上がると危険だ。力の加減が無くなって非常に危ない。(俺らの命が)
でも、その姉さんのニヤリって顔最高です!!かっこいいし素敵です!!
「高みの見物とは良いご身分だなァ、セツ?」
「ああ、その笑顔も素敵……ってあれ?姉さん今甲板にいた筈じゃ……てかここ見張り台なんですが!?」
どうやって来たんですか!?と聞けば、跳んだ。と返された。どんな脚力してんですか!!
「あとはお前とマルコとサッチぐらいだ」
「ええ!?エース隊長は!!?」
「一番最初に殺った」
「漢字が違いますよ!!?」
「隙有りだよい!!」
「っ!!」
突然、腕だけを不死鳥に変化させたマルコ隊長が飛んできて、姉さんに向かってブンッと足を振り下ろした。
だが姉さんはそれを片手で受け止める。
「ん、力も良いし敵の隙をつくのも良いな。そして……」
「うぉっ!!!?」
「サッチ!?」
後ろから現れたサッチ隊長が姉さんに攻撃するが、あっさりと避けられてしまった。
てか皆さん!!ここ見張り台ですから!!何でこの狭い所で戦うんですか!!
「二人掛りでくるのも良い。だが……」
サッチ隊長の腕を掴み、そして俺の腕も………へ?
ブンッ
「うわあああ!?」
「ぎゃああああ!!?」
「ぐあっ!!」
俺は海の方に投げられ、サッチ隊長はマルコ隊長の方へ投げられてぶつかった。そしてそのまま俺とサッチ隊長とマルコ隊長は海へ落ちた。
「まだ甘いな。やるなら最後まで本気でかかってこい。それとセツ、お前は油断しすぎだ」
最後に見たのは俺らの方を見て、やれやれと溜め息を吐く姉さんだった。(ああ。そんな姉さんの姿も素敵だ!!)
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