頼れる姉貴は副船長!!
□第12話
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「…にゃ……」
………?
……おかしい。
何かベッドがでかく感じる気がする。
慌てて周りを見回せば俺の部屋だというのは分かった。が、家具が全て大きく見える気がする。
しかも、最初の「にゃ」って何だ。猫でもいるのか?
いやいや待て待て待て。
俺の部屋に猫がいるはずがないし、よく考えてみたらあの第一声は俺の口から出たものだ。
何だ、俺ってそんなキャラだったか?猫キャラ?萌え?萌えなのか?(←混乱中)
え、まじかよ。と思ってベッドから降り、とりあえず今の自分を確認するために、部屋飾ってにある大きな鏡を見た。
……ら、そこいたのは黒猫。しかも目の色は赤。まるで俺みたいな……
……………俺、みたいな
ちょっと鏡に近付いてみる。あれ、黒猫も近付いてきてる。
……いや…まさか、ね
鏡の前まで来た。うーん、と少し首を傾げる。あ、黒猫も首を傾げてる。可愛い。
…いやいや、ないだろ
少し鏡に触ってみよう。おぉ、猫も前足を上げた。肉球可愛いなおい。
ぷにっ
鏡を触ってもいつものような感触ではない。何かぷにぷにとした感触が手から伝わってくる。まるで肉球のような……。
…………いやいやいや、ないって
す、少しだけ声を出してみるか。あーあー、ゴホン。
「……に………にゃー……」
……………まじかよ
≡≡≡≡≡≡
所変わってこちらは食堂。4番隊隊長でありコックであるサッチは朝食の準備をしている。
朝食の時間にはまだ早いので、人が少なくて食堂はいつもより静かだ。
サッチが朝食のスープを作っていると、外から何かが聞こえた。
「……猫の鳴き声?」
海賊船に動物、ましてや猫などいるはずもない。再び聞こえた猫の鳴き声に首を傾げながらも、サッチは外に出た。
「にゃぁあああーー!!(前回のシリアスは何処へ行ったー!!)」
船首に乗って声を荒げるのは黒猫。いや、キイチ。
それを発見したサッチは慌てて黒猫に駆け寄る。
「にゃぁああー!!!(俺、猫ってキャラじゃねぇだろー!!!)」
「おいこら猫っ!!そんな所いたら危ないぞ!!」
「にゃあっ!!?(うわぁっ!!?)」
叫んでた所をいきなり後ろからひょいっと抱き上げられ、驚くキイチ。
「何やってんだよい、サッチ」
「あ?何か猫がいたんだよ」
「おぉっ、猫だ!!」
「にゃにゃっ!!(マルコ、サッチ、エース!!)」
サッチの抱いている猫(キイチ)に興味津々のマルコとエース。
「へぇ、綺麗な黒猫だな」
「にゃ…(頭撫でるの上手いなマルコ…)」
「お、目は赤色か。キイチみたいだな〜、お前」
「にゃあ…(サッチも首撫でるの上手い…)」
「おぉ、肉球ぷにぷに」
「狽ノゃ!?(なっ、何肉球触ってんだエース!?)」
「あだっ!!爪出すなよ!!」
「何やってんですか?」
4人(3人と1匹?)が甲板で騒いでいるとセツがやってきた。
寝起きなのか、いつも頭に巻いているバンダナは無く、短めの紺色の髪には癖がついている。
セツは黒猫…キイチを見ると目を輝かせた。
「うわぁああ!サッチ隊長、その猫どうしたんですか!?」
「にゃ……(うわ、セツの目が異常な程に輝かいてる)」
「ん、何か船首にいた」
「おおおお俺にも抱かせて下さい!!」
「にゃー…(嫌な予感……)」
「ほら」
サッチがキイチをセツに差し出した。
「さぁ姉さん!!いざ、我が胸に「ぎにゃー!!(うわ、触んなアホー!!)」ぐはぁっ!?」
「うわ……」
「アレは痛いよい……」
「てか猫に姉さんって…」
キイチはセツに顔面に猫パンチを食らわせ、船の中に入っていった。
顔を押さえ甲板を転げ回るセツを3人は可哀想なものを見るような目で見ていた。
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