頼れる姉貴は副船長!!

□第10話
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「………エース」


「……………はい」


「……3日、口聞かないって言ったよな?」


「ホントにすいませんでした!!!」



キイチの前には俺が終わらせられなかった書類の山。いや、俺だって終わらせようとしたんだけど。これでも3分の1くらいは減ったんだぜ!!って言ったらキイチに殴られた。



「たかが3分の1だろ」


「されど3分の1だ!!」


「黙れエース」



ちょっと悔しくて反論したらまた殴られた。







≡≡≡≡≡≡


食堂――…



「キイチー、俺の船乗れよー」


「うるさいシャンクス、いつも言ってるが乗らん」


「良いじゃねーか乗れよ」


「ベン……お前ん所の頭早く持って帰ってくれよ」


「いや、あんなのが帰ってきても邪魔なんだが」


「二人揃って酷くね!?」



キイチー、と言って俺に抱きつこうとするシャンクスの襟首をベンが掴む。ぐぇっという苦しそうな声が聞こえたが無視だ。



「そういえばキイチ」


「ん?」


「エースが甲板に吊されていたんだがアレは一体……?」


「あぁ、お仕置きだ」


「お仕置き……」


「書類してなかったんだよい、あの馬鹿は」


「あ、マルコ」



食堂に入ってきたのはマルコ。手には書類らしき物を持っている。



「ほら、今月の書類終わったよい」


「ん、ありがと」


「マルコは書類整理できるんだな」


「あぁ、ここ(白ひげ)で書類整理がちゃんとできんのはマルコだけだよ」


「そうかい?」


「マルコの書類読みやすいし。てか他の奴は出す事すらしないし」


「流石はマルコだ!!というワケでキイチと一緒に俺の船に乗れ!!」


「「却下」」


「ショック!!」




半泣きのシャンクスを置いて俺は食堂を出た。






「あ……キイチ…隊長」


「どうしたゼキ?」



俺を呼び止めたのは特攻隊の隊員のゼキ。俺よりは高いが、男にしては低めの身長で、淡い浅葱色の髪を後ろで緩く結んでいて、前髪に隠れていて見えにくいが目は銀色。

いつもはあまり話しかけてこないのに珍しいな、と思ってたら手紙を渡された。



「これ…隊長に……手紙…」


「ん、ありがとな」



手紙を受け取って、頭を撫でてやる。ゼキの髪は滑らかで触ってて気持ち良いからついつい撫でてしまう。まぁ、ゼキが嬉しそうだから良いか。

礼を言った後、俺は部屋に戻った。









「……ありがと…か………へへっ…」



ゼキはキイチが撫でた頭を触り、頬を染めて小さく笑った。












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