頼れる姉貴は副船長!!
□第9話
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「キイチー!!!」
おう、エースだ。
俺の姉キイチが任務でいなくなって3日。
もう3日もキイチに会ってない。
「キイチーー!!!!」
淋しい。もう3日もキイチの声を聞いたり、キイチの手で撫でられたりしていない。淋しすぎる。
「キイチーーーあでっ!!」
「いい加減うるせぇよい」
いきなり俺を殴ったのはマルコ。ふんっ、うるさいとか言っときながらお前もキイチがいなくて淋しがってるのなんざお見通しなんだからな!!
「マルコの言う通りだぜエース。それにキイチはもうすぐ帰ってくるだろうしな!」
笑って話すのはサッチ。くっ……いつの間にそんな情報がきたんだ!?サッチのくせに!!←こーしちゃいられねぇ!!!!
「キイチーー!!!!」
「あの…何でエース隊長は海に向かって叫んでいるんですか?」
「あー……お前、キイチがウミウミの実の能力を使って海を移動できるっての知ってるか?」
「確か……海と繋がっている所ならどこでも行けるっていう?」
「そうそれ。便利な能力なんだが、移動する場所を細かく指定したらキイチ自身の体力が結構削られるんだよ」
「だからエースは海に向かってキイチの名前を叫んでここの位置を教えるんだよい。少しでもキイチの体力を減らさないようにな」
「へぇ……」
「キイチー!!!!!」
「でもそろそろシメてきても良いかよい?」
「良いんじゃね?てか俺がシメても良いか?」
「迫獅ソ着いて下さい!!」
≡≡≡≡≡≡
「んじゃ、そろそろ行くよ」
「ンマー、もう行くのか……」
「案外早かったな……」
「淋しくなるのぉ…」
「……クルッポー」
朝、キイチはアイスバーグ、パウリー、カク、ルッチと一緒に港に来ていた。
「そんな顔すんな、また来るさ」
「ポー…」
キイチは淋しそうなハットリを撫でてやる。
「あ、そうだ」
「何だこれ?」
「紙だッポー」
「これは何じゃキイチ?」
「それやるよ。俺のビブルカードだ。ま、お前らは使い道が特にねェだろうが俺が生きてるかどうか位なら分かるだろ」
「「「…?」」」
「要するに、その紙の持ち主である俺の命を表すんだ。焦げてきたら危険信号って事」
「へぇ……」
キイチのビブルカードを珍しそうに眺める3人。
「俺が本当にお前らを認めた証拠だ。俺はあんまり人にやらねぇんだぞ」
「そうなのか?俺の時は結構あっさりとくれたじゃねぇか」
「だってアイスバーグは俺を助けてくれたしな」
「うぉっ!?この紙動いたぞ!?」
「あー…この紙は持ち主の所へ動くんだ。んで、紙を持ってりゃ海でも会えるってわけ。ま、お前らは使わないだろうが特別にやるよ」
「い、いいのかよ?」
「ああ、大切にしてくれよ」
「「「……//」」」
キイチの満面の笑みに顔が赤くなる3人。アイスバーグはそれを見て内心溜め息をついた。
「(ンマー……、やっぱキイチはどこに行っても好かれるんだな…)」
キイチは、自身が認めた人間に対しては馴染むのが早い。その上、いつの間にか年下だろうが年上だろうが相手の心を捕える。…そのお陰で周りの人間の苦労が絶えないが。
「もう少しここにおらんか?」
「いやもう帰るって」
「まだ観光し足りないだろ」
「いやいや昨日ので十分だよ。てか俺1回ここに来てるし」
「というか帰るなッポー」
「命令形!?」
「ンマー、そろそろ帰してやれお前ら」
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