頼れる姉貴は副船長!!
□第8話
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「え〜と………
これはどーゆー状況?」
キイチ、只今正座中。
「ンマー、分からねェわけないよな?」
「アイスバーグ。顔、顔コワイよ」
「誰のせいだと思ってんだ!!」
「……俺?」
「当たり前だ!!あの能力は1日3回以上使ったら駄目だって前に言ったろ!!」
「…う……でも、前よりは慣れたし大丈夫かなーって思って…」
「大丈夫じゃないからそんな風になってんだろ!!」
「「「………」」」
パウリー、ルッチ・カク、話が分からないため話の中に入れない。
「でも1回目は任務のためにやって、2回目はこっちに来るためだし……4回目だって逃げるためにしたんだし」
「だったら走って逃げりゃ良いじゃねェか。お前に追い付ける奴なんてそうそういないだろ」
「……めんどかったし」
「おまっ……!!」
「あの〜…アイスバーグさん」
「あ?……あぁ、そういや紹介してなかったな。キイチ、こいつらはパウリー、ルッチ、カク、全員職長だ。」
「あ、パウリーは知ってるよ」
「ンマー、そうか。そんでお前ら、こいつはキイチだ。"烏のキイチ"って言って結構有名だろ」
「そういや聞いた事があるような……」
「有名だッポー」
「確か10億の賞金首だと聞いたぞ」
「10億!!!?コイツが!?」
「パウリーはこの世とは思えない程に美しい川を見た事はあるか?」
「すいませんでしたッ!!」
「クルッポー」
「あ、さっきのハト」
「ポッポー!!」
「ん?」
キイチの声に反応し、ハットリはキイチの肩にとまった。
「………なっ!!!」
「ハットリが……!!!」
「あのルッチにべったりのハットリが…!!」
「クルッポー♪」
「…………」
擦り寄ってくるハットリにキイチは少し頬を緩めて頭を撫でてやる。その後ろでは皆様々な衝撃を受けている。ルッチは顔には出していないが相当ショックを受けていた。
「あ、アイスバーグ。できたらで良いんだがドックを案内してくれないか?」
「キイチ、マジで行く気だったのかよ?」
「ああ」
「別に良いが……お前、前にも案内してやったよな?」
「いやー、久しぶりだから少し変わってるかなーと思って」
2人の会話を聞いて、またよく分からなくなってきた他の3人。
「前に来た事があったんか?」
「確かに家でも言ってたな…」
「それ以前に何で2人は知り合いなんだッポー?」
「あー、……それは…」
「俺がアイスバーグに拾われたんだ」
「拾われた?」
「キイチってよく拾われるんだな…」
「まぁそれなりに」
「粕ロ定しろよ!!」
「ま、要するにアイスバーグが俺を拾って助けてくれたんだよ」
「ンマー、大分省略したな」
「だって話すと長いし」
「実際はどんな感じだったんだッポー?」
「死にかけのキイチを俺が拾ったんだ」
「文章的には俺より短いよ、それ。しかもそんなに内容変わってないし」
アイスバーグはキイチに頼まれた通り、ドックの中を案内するために部屋を出ようとしたらキイチに呼び止められた。
「あ。アイスバーグ」
「ンマー、何だ?」
「電伝虫借りても良いか?」
「ああ、そこにあるから使っていいぞ」
「ありがと」
礼を言ってからキイチは電伝虫に番号を押していく。
プルルルルル………
「……ンマー、出てこねェな」
「いや、多分これは……全員耳塞いだ方が良いぞ」
「「「??」」」
ガチャッ
《キイチーーー!!!!!!!》
エースの声が大音量で部屋に響く。どんだけ必死なのさエース君。電伝虫の顔が凄い事になってるよ。しかもルッチとカクとパウリーがめっちゃ驚いてるよ。
「……エース、うるさいぞ」
《だっておま……!!1日5回は電話しろって言ったろ!!しかも直ぐ帰るって約束しただろ!!》
「5回って多いなおい。てか言われた覚えも約束した覚えもねェよ」
《早く戻ってこいよキイチ!!》
「何だこの電伝虫。会話が出来ねェんだけど。ちゃんとこっちの声届いてんのか?」
電伝虫を睨みつけるキイチ。……とその後ろで耳を塞いで固まっているその他3人。(アイスバーグは優雅に紅茶を飲んでいた)
「……キイチ、今話してんの誰だ?」
「ん?俺の弟」
「「弟!!?」」
《キイチー!!俺の弟じゃなくて、俺の男って言えよー!!》
「あーもう早くマルコに電話を渡せ馬鹿エース!!」
―……30分後……―
「……とりあえず、報告はしたからな」
《分かったよい》
「んじゃ、俺はこれで…《キイチ》…何だマルコ?」
《エースじゃねぇが、なるべく早く帰ってきてくれねぇかい?》
「えー…まだ2日目だろー…」
《キイチがいないとエースもセツも仕事をやらねぇんだよい》
「…ん?エース書類やってないのか?」
《半分もやってないよい》
「はぁ…エースにマジで3日口聞かねェぞって脅しといてくれ。明日には戻るから」
《悪いな》
「ははっお互い様だろ」
電話を切って、キイチはまたアイスバーグ達に顔を向けた。その顔は呆れたような、だがどこか嬉しそうな感じだった。
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