頼れる姉貴は副船長!!

□第6話
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「お使い?」


「ああそうだ。ちょいとお使いに行ってこい」


「俺が行くのか?」


「お前以外に誰がいるんだ?」


「……でも他にも暇な奴とかいるだろ?エースとかエースとかエースとか」


「どんだけ俺を暇だと思ってんだよキイチ!!」


「うっさい。前回同様また湧いてきやがって」


「俺は虫か!!?」


「グララララ!!姉弟喧嘩も程々にしろよお前ら!!」








とりあえずエースは放っておいて(酷い!!byエース)オヤジに任務内容を聞く。





「……ってホントにお使いじゃねぇか」


「グララララ!!!」




内容はオヤジの知り合いに手紙を届ける、といった至って簡単な任務。……え、まじで俺(副船長)行っても良いのか?




「本当に俺が行くのか?」


「おぉ、行ってこい」


「えー、行っちまうのかよキイチー」


「俺に抱きついている暇があったら書類でも書いてろエース。それでなくても2番隊はいつも締め切りギリギリまで出さないんだからな」


「うぐっ……!!」





痛い所を言われたのか、黙って部屋に戻っていくエースを見て溜め息が出た。最近溜め息をついてばかりいる気がする。原因は主にエースとセツだが。






「キイチ」


「ん。何だオヤジ」


「お前が行く所の近くにプッチがある」


「…!美食の街の?」


「それと水の都のウォーターセブンも近い」


「オヤジ……まさか俺にお使いを頼んだのって……」


「グララララ!!1週間で帰ってこいよキイチ!!」

「オヤジー!!」





俺は嬉しくてオヤジに抱きつく。どうやらオヤジには最近俺が忙しくてちゃんと休憩してなかったのがバレてたようだ。以前膝で寝かせてくれた事といい、オヤジには何でもお見通しらしい。





「大好きだぜオヤジ!!」


「グララララ!!早く準備してこい馬鹿娘が!!」


「おぅ!!」





オヤジの優しさが嬉しくてそのまま走ってオヤジの部屋を出た。



「オヤジ…キイチに抱きつかれて……!!」


影で羨ましがるエースがいたとも知らず。














≡≡≡≡≡≡



適当に準備を済ませ、キイチは甲板に出た。



「本当に行くのかよキイチー」


「ああ。……エース、ちゃんと書類終わらせとけよ?」


「……」


「………次、書類が遅れたら3日は口を利かないぞ」


「精一杯やらせて頂きます!!」




汗を流しながら敬礼するエースにキイチは苦笑いした。





「あれ、任務か?キイチ」


「ああ。…サッチのおやつが1週間食えないのは寂しいな………」


「嬉しい事言ってくれるなキイチ〜!!」





嬉しそうに笑ってキイチの頭をわしゃわしゃと撫でるサッチ。………とそれを羨ましがるエース。




「あああ!!サッチてめェ何羨ましい事してんだよ!!」


「頭撫でただけだろ?」


「……俺にはそれすらさせてくれない…」


「マジ!!?」


「じゃ、行ってきまーす」


「キイチー!!」


「はいはい行ってきます」





渋るエースの頭をぽんぽんと撫でてキイチは船の淵へ足をかけた。そして――…





「じゃ、行ってくるオヤジ!!」






トンッ――






海へ、跳んだ。

























「ああぁ〜……行っちまった…」


「毎度毎度心臓に悪いよい……」


「能力者なのに海平気だもんなー」


「キイチー…」


「1週間かー…短いようで長いよなー…」


「ま、息抜きにゃなるだろい」


「あぁ……俺も行きたかった…」



「「黙ってろエース」」





キイチが疲れてるのはエースのせいでもあるんですよー。















≡≡≡≡≡≡


とある島の海岸――…






――…ザバッ





「ぷはっ」





海から出てきたのはキイチ。だが、海から出たばかりのはずなのにキイチは全く濡れていない。






「この移動方法は楽なんだけど細かく位置指定すると疲れるのが難点だな……」





『ウミウミの実』の能力の一つ
海や川など、海と繋がっている所へなら海からどこへでも行ける。というものだが、どの島のどの部分に行くなどの位置を指定したら大分精神力を使うため、能力を使う本人……つまりキイチに負担がかかる。









「…はぁっ……とにかく、…お使いを終わらせるか……」






キイチは少し休んでから手紙を届ける為に歩き出した。


















≡≡≡≡≡≡




「………じゃ、確かに届けたぞ」


「あぁ、悪いな」




「――…さて、一番近いのは……ウォーターセブンか」




手紙を渡し終えたキイチは、とりあえず近くにあるウォーターセブンに向かうために海へ入っていった。












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